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第四章

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「あそこか」
「あいつ等あそこに住んでいるのか」
「あの学校か」
「親はそうした連中か」
「親の職場はあそこか」
「いじめで人自殺させる奴なんか碌な奴じゃねえ」
「絶対に只じゃ置かないぞ」
 観た誰もが憤怒に満ちた声で述べた。
「電話かけてやる」
「家に行ってやる」
「学校に抗議の電話送ってやる」
「他の奴にも教えてやる」
「親も親だ、只で済ますか」
「関係者全員生き地獄味合わせてやる」
 皆こう言ってだった。
 すぐに実行犯達の家に抗議の電話を送り家に突撃した、学校や親の職場にも抗議が殺到し仕事が出来ないまでにして。
 近所もそれを知ってだった。
 彼等は社会的生活を送れなくなった、そこで。
 岩清水はこっそりとだった、真夜中に彼等三人の家に行き。
 火を点けた、それで引き籠りになっていた彼等の家族は丸焼けになった。だがこのことは隠して友人達に話した。
「何か連中全員家族で心中したらしいよ」
「ああ、そうなんだ」
「家に火を点けてね」 
 そうしてと話した、仮面の様な顔で。
「もう家族全員ボロボロで動くのも億劫になっていて」
「火を点けたらなんだ」
「気が変わって逃げることも出来なくて」
 それでというのだ。
「全員ね」
「死んだんだ」
「心中したよ」
「そうなんだ」
「これで一件落着だよ、気分はどうかな」
「よかったよ、三人共親も碌でもない連中だったみたいだし」
「そうだよ、ネットではね」
 実はその噂は彼が実行犯達を怒り狂ったネット民達がさらに攻撃する様に色々と嘘ばかり流したものである。彼は事実を知らないし知るつもりもなかった。
「そう言われているよ」
「だったらね」
「別にいいね」
「屑の親は屑ってことだね」
「そうみたいだね」
「じゃあいいよ、死んでざま見ろだよ」
 友人は自分の気持ちを率直に述べた。
「本当にね」
「僕も同じだよ、ただね」
「ただ?」
「いや、悪人が報いを受けるということは」
 内心これ以上はないまでの痛快な快感を感じつつ言った。
「いいことだね」
「いじめなんて最低の好意だからね」
「それが成ってね」
「本当によかったよ」
「全くだね」
「うん、これで被害者も浮かばれるかな」
 いじめられて自殺した人もというのだ。
「そうなるかな」
「多分ね、自分をいじめていた奴等がそうなって」
「今頃天国で喜んでいるね」
「連中は地獄に落ちたよ」
 岩清水は確信を以て言い切った。
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