オーバーブースト
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「トレラアルディガ!」
トレギアの両手先から放たれる、蒼い光線。
火の形態に変身しながら、ウィザードはジャンプしてよける。ソードガンを振り下ろし、トレギアと切り結ぶ。
さらに、リゲルもまた加わった。手にした剣を振り下ろすが、トレギアはそれを腕から受け止めた。
「へえ、ガンナーのサーヴァントの割には、随分と接近戦を仕掛けてくるね」
「遠距離だけなわけないでしょ? 以前アンタには逃げられたけど、今回こそは倒させてもらうわ」
「できるかな?」
トレギアはリゲルの剣を突き飛ばし、そのまま右手から蒼い光線を放った。リゲルは砲台で防御しながらも、一気に後退、そのまま膝を折った。
「リゲル!」
そのままトレギアがリゲルへ追撃しようとするが、ウィザードがその前に立ちはだかる。
ウィザードはそのまま、これまで何度も繰り返されてきた、ウィザードとトレギアの戦い。だが。
「……前より、弱くなってる?」
トレギアの光線を受け流しながら、ウィザードは呟いた。
確かにトレギアの攻撃一つ一つは、大きな威力を発揮するし、変身解除まで追い込まれる可能性もある。
だが、これまで受けてきたトレギアの攻撃と比べて。
「軽くなっている?」
「ちぃっ!」
舌打ちしたトレギアは、さらにトレラアルディガを放つ。
だが、低い出力のそれを見切るのは、それほど難しくなかった。だんだんと攻撃が繰り返されていくごとに、ウィザードへの被弾率も下がっていく。
そして。
『フレイム スラッシュストライク』
ウィザードが、炎の斬撃を二度放つ。
十字に斬られたそれにより、トレギアの体から火花が飛び散り。
そして。
ダメージを受けたトレギアの体が震え、薄っすらと紗夜の輪郭が浮かび上がる。
「紗夜さん!」
ウィザードは急いで手を伸ばし、紗夜を引っ張り出そうとする。
だが、トレギアがそんな救出劇を認めるはずがない。爪を駆使した技、トレラテムノーでウィザードの手を弾き、距離を取る。
「くっ……、グリムドがセイバーにやられたせいで、出力が……」
トレギアは体を抑えながらウィザードから離れた。
このままやれば、倒せるのでは。
ウィザードは即座にキックストライクの指輪を右手に嵌める。
だがそれよりも前に。
「ふざけるなあああああああっ!」
激昂したトレギアが、両手を天に向けた。
闇の中に現れた五つの赤い点より、蒼い雷が放たれ、周囲を滅茶苦茶に破壊していく。
「なっ!」
キックストライクで掻い潜れば、確かにトレギアを倒せるかもしれない。
だが今、背後には動けない可奈美がいた。
「可奈美ちゃんっ!」
ウィザードは可奈美の前に立ち
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