第59話
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悟飯、お前にとっての闘いとは何だ?」
「え?」
「お前にとっての闘いとは何だと聞いている」
「そ、それは…他人を傷付ける行為です」
悟飯にとっての闘いとはそれであった。
今までの悟飯の武道はどうしようもない悪から平和を勝ち取るための手段であり、修行は勝ち取るための確率を上げるための物。
だから性根が優しすぎる悟飯はどうしても闘いを好きになれなかった。
「そうか」
甘ったれるなと叱責されるかと思ったが、ピッコロの表情は寂しげであった。
「ピッコロさん…?」
「良く考えてみれば俺達はお前に殺し合いのための武道とその修行ばかりしかお前にさせてこなかったな。本来の武道のあり方を知らないならば闘いに対してそう言う気持ちを抱くのも無理はない。」
そう、思い返してみれば悟飯が悟空達親世代のような競い合う武道をしたことなどないのだ。
「悟飯、お前の知る父親と姉は他人を傷付けることに喜びを感じるような連中か?」
「いえ!そんなことは…」
「そうだ、サイヤ人の血もあるだろうが、あいつらは自分の修行の成果を、成長を試したいのだ。お前の好きな勉強と同じだ、出来ないところがあるからひたすらに練習し、出来るようになる。悟空達は己の磨き上げてきた力が相手に通じるか、通じなければ如何に工夫して勝つかの駆け引きを楽しんでいる。同じ実力を持つ者同士で切磋琢磨し合うのもまた闘いとは違う楽しさがある。悟林がお前のライバルならそれを知るチャンスがあっただろうが、悟林にとってお前は永遠に手のかかる弟だろうからな。未来の悟飯は殺し合いはともかく、武道を心から楽しんでいた。恐らく未来のトランクスを育成している時に分かったんだろう、武道の楽しさを」
楽しいからこそ、好きになれる部分があるからこそ未来悟飯は積極的に修行に取り組んだ。
この時代の悟飯との決定的な違いはこれだろう。
「悟飯、お前に未来の悟飯のようになれとは言わん。お前とあいつでは生きてきた環境に差があり過ぎるからな。だが、今のお前は悟空と悟林の背に守られる存在ではない。悟空と同じように父となり、ビーデルとパンと言う守るべき存在を持った。あの2人を守りたいのなら強くなれ。皮肉にも悟空も悟林も厄介事を引き付ける性質を持っている上にベジータを宇宙で恨んでいる者が大勢いる…恐らくこれからも大変なことが起きるだろう。悟空も悟林もベジータもいない場合、フュージョンしたゴテンクスを除けば一番強いのはお前なんだからな…武道の楽しさについてはゆっくりと知っていけばいい。お前はまだ若いのだからな…パンが成長したら武道を教えてみろ、少しは分かるかもしれんぞ?」
「はい!」
「修行を再開するぞ!お前はまずセルと闘った時の力を取り戻さねばならん!少しでも気を抜
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