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おっちょこちょいのかよちゃん
187 人食い鬼、ナポレオン
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 フローレンスは赤軍の政治委員を取り返された己の失態を悔やんでいた。
(な・・・、あの子が、裏切り者、に・・・)  
 それだけではなかった。一人の少年が敵側に寝返ったという事実を受け入れられずにいた。そして各々の動向を確認する部屋に戻った。
「フローレンス、赤軍の人間が攻めてきたって聞いたが」
 イマヌエルが確認する。
「はい、丸岡修によって足立正生と吉村和江を取り返されました。失態を犯してしまい、申し訳ございません」
「ああ、そう思ったよ。なにしろ二人の気配が消えたからね」
 フローレンスはもう一つの事が気になった。敵の世界の長が遠隔で丸岡を援護していたと共にそのレーニンが動く為の核としているのが一人の少年と言う事だった。
(安藤りえちゃん達が杉山さとし君の捜索をしていますとなりますと伝えませんといけません・・・。しかし、それともう一つ・・・。剣を取り返します者達にもこの事実を伝えませんと・・・)

 こちら藤木救出班。かよ子達は先に進んでいる。
「しかし、赤軍の者をひっ捕らえたとなると向こうも痛手を負うだろう」
 次郎長は分析する。
「うん。それならきっと敵も倒しやすくなるはずだよね・・・」
 かよ子はもう一つ、あの男子の事を思い出す。
(杉山君・・・。藤木君を取り返したら、今度は杉山君を連れて帰るよ・・・!!りえちゃん達の手助けしないと・・・!!)

 一群の騎馬隊が追う。
「足止めをして、杖を奪うぞ」
「はい!」
(妻よ・・・。その杖を共に見せてやろう・・・)
 その男は革命を起こした男であると共に、殺戮を繰り返し、帝王と化した暴君であった・・・。

 かよ子は周囲を見渡す。平野が広がっていた。
「ここは何もないけど、いったいどんなところなの?」
「聞いた話では、ここに住んでいた者は祭りなどをして遊んでいたようだ。だが、その者達も敵の侵攻で一人残らず虐殺されてしまったとの事だ」
 大政が説明した。
「そんな、ひどい・・・!!」
「あたしもここに住んでいる豚とか鳥とかを貰った事があったよ。あん時は豚カツとか焼き鳥とか作ったなあ」
「お蝶の料理は美味いからな。お主らにも食わせてやりたいくらいだ」
「おお!楽しみじゃ!」
「また遊びに行きたいねえ」
「まるちゃん、私達は遊びに来たんじゃないんだよ」
 かよ子は忠告した。
「う・・・」
「おい、また何か攻めて来る気配がするぜ!」
 大野が不安げになった。
「なぬ!?」
 関根が指を差す。
「あそこだ!!」
 それは騎馬隊だった。
「いたな!やるぞ!!」
 騎馬隊が攻めて来る。矢と投石が羽根に乗るかよ子達を襲う。
「う!!」
 羽根の結界が働いた。
「纏まるとまずいな。一部の者、羽根から降りるぞ!」
 次郎長が促した。
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