暁 〜小説投稿サイト〜
天才少女と元プロのおじさん
正美の特訓
35話 通用しない事が分かったから
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「おじさん!初めて会ったときの約束覚えてる?」
「野球を教えるって約束だよね。ちゃんと覚えてるよ」

 眠りの中でおじさんに会いに来た正美はおじさんにバッティングの指導をお願いした。内容は勿論、投手の球威に負けないスイングを手にいれる事である。

「それじゃあ、硬式の打ち方からやろうか」

 まずは軟式と硬式の打ち方の違いをおさらいする事から始まった。
 硬式ボールは軟式よりも下側を叩く必要があり、またバックスピンをかけるようにスイングする事で飛距離を伸ばす事が出来るのだ。

 生まれつき小柄な正美は筋肉を大きくし過ぎると怪我のリスクが上がってしまう為、こういった技術面で改善を図る方針となった。

 鏡の前で素振りをして、自身のフォームを確認した記憶を共有し、寝ている間におじさんから助言を貰ったら、朝起きてすぐに教わった内容をメモする。そしてまた鏡の前で素振りをすのだ。

 こうして全国大会までには形になることを目標とし、正美のバッティング練習がスタートした。






 最近はみんなの疲労を考慮され、部活での練習は軽めに行われている。正美は練習後に一人トスマシンと共に居残り練習をしていた。

 普段のほとんど足を上げない摺り足打法とは違い、足をホームベース側に上げるレッグキック打法でボールの下を叩く。おじさんと取り組んでいるバッティングフォームである。

 トスマシンのボールが切れたところで正美に接近する影が一つ。

「正美ちゃん!」

 正美が振り向いた先に芳乃が居た。

「休まなくて大丈夫?」

 芳乃はバッティング練習を中断した正美に近付いて問う。

「うん。最初の二戦は少ししか出てないし、次は控えだからね。そういう芳乃ちゃんはまた監督と会議?」

 柳大川越戦は詠深が先発する為、正美はベンチスタートの予定となっていた。また、ここ2試合温存されていた詠深に次いで出場イニングが少ない正美はまだまだ余力があると主張する。

「そうだよ。ところで、今のバッティングは?」
「やっぱ気付かれましたかー」

 正美は今日の部活中は摺り足打法で打っていたのだ。芳乃も正美の新フォームを見るのは初めてである。

 正美は打ったボールを集め始めると口を開いた。

「今まではいつでも軟式に戻れるようにフォームを変えないでやってきたけど、先に進めば進むほど私のバッティングは通用しない事が分かったから、暫くは硬式に専念することにしたんだ。私が強い直球を打てないのバレちゃってるだろうしね」

 喋りながら集めたボールをトスマシンにセットする。

「あ、でも県予選中は間に合わないと思うから期待しないでね」
「うん、分かった。あ、私がトスするよ」
「良いの?遅くなっちゃうよ?」
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ