第五百七十話 タイツはないその四
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「男のタイツはね」
「抵抗あるよね」
「アメリカンヒーローもあれも」
この時代もあるアメリカの漫画や映画の彼等というのだ。
「やけに筋肉ムキムキでね」
「それでタイツだからね」
「筋肉が強調されているけれど」
「ネロは好きじゃないね」
「あちらもね」
どうもというのだ。
「だから舞台でもね」
「タイツは嫌だったんだね」
「それでよかったよ」
今回の舞台でタイツでなかったことはというのだ。
「本当にね」
「そうなんだね」
「提灯ブルマはそれ以上にね」
「あれはないね」
「うん、タイツ以上にね」
今否定しているそれ以上にというのだ。
「ないね」
「僕もタイツ以上に嫌だね」
マルティもこう言った。
「あれは」
「そう思うよね、マルティも」
「救いがない恰好っていうかね」
「恥ずかし過ぎるね」
「女の子が女装したらね」
この場合はとだ、マルティは話した。
「まあね」
「そっちはいいよね」
「リボンの騎士みたいね」
この時代までも時折連載されアニメも放送されている手塚治虫の作品の一つだ、男装の麗人が主人公である。
「いいと思うけれど」
「女の子はどう思うかな」
「正直言って嫌よ」
舞台には出ないが衣装を縫い付けた一人である七海が言ってきた。
「言っておくけれどね」
「ああ、そうなんだ」
「あのね、タイツはね」
七海はマルティに真剣な顔で話した。
「ストッキングでしょ」
「近いね」
「ストッキングだけ穿いて人前に出るってないでしょ」
「かなり恥ずかしいね」
「まあブルマはね」
こちらはというと。
「半ズボンってことで」
「いいんだ」
「半ズボンとストッキングなら」
この組み合わせはとうかとだ、七海は話した。
「ありだけれどね」
「それはいいんだ」
「けれどタイツだけだと」
「嫌なんだね」
「絶対にね」
それだけはというのだ。
「流石に下着は見えないけれど」
「ストッキングは下着の上から穿くね」
「フェチの人もいるわね」
所謂ストッキングフェチである、こうした趣味もこの時代にも存在している。
「それも嫌だしさらにね」
「さらに?」
「タイツって身体にぴっしりしてるから。ああ、スパッツね」
ここで思い直してだ、七海は言った。
「言うならね、タイツは」
「そっちの方が近いね、確かに」
「スパッツって下着のラインがね」
「身体にぴっしりするから」
「見えるから」
このこともあってというのだ。
「言われてみるとね」
「タイツはスパッツだね」
「そっちね」
七海はあらためて言った。
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