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第百三十八話 銀河帝国・自由惑星同盟連合軍vs新生・自由惑星同盟―第四次ティアマト会戦 その3
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を崩さなかった。

「倒せるか否か、なんて私にはわからない。けれど、性分としてあなたの所業は見過ごせないんでね」
「貴様の所業、あの世でイルーナ姉上に詫びるがいい!!」

 シャロンは微笑を浮かべていたが、それがニンマリとしたものになった。

『フ・・・・アハハハハ!!そう、そうなの!?イルーナは死んだのね!!結構、私にとって最大の朗報だわ!!』
「そうであろうな、だが、最大の誤算は、貴様の慢心だ!!」
『は?』
「我々は囮なんだよ。本命は別にいるという事さ」

 ヤンが言った直後、ヘルヴォールから放たれたローレライの旋律がシャロンを直撃した。今度は反応はあった。シャロンが出現させた光球はローレライの旋律の前に消滅し、彼女の身体は旋律の閃光波動をまともに受けていた。

『この程度・・・・フィオーナごときで私を止められるはずないじゃない』

 シャロンは微笑した。

* * * * *

 コーデリア・シンフォニーの第三十艦隊の旗艦上で、カロリーネ皇女殿下は、アーレ・ハイネセン北極点にローレライの旋律の波動がぶつかるのを見た。同時に歌声が艦内に響き渡るのを聞いた。

「成功ですか?」
「残念ながら、まだ事ならず」

 コーデリアがつぶやくようにして答えたその理由をカロリーネ皇女殿下は悟った。閃光波動は直撃したが、まだ北極点上でそれをせき止めている影がある。

「シャロン・イーリスは健在です」

 オペレーターが報告した。

「そう、全艦隊からの全艦砲射撃をもってしてもシャロンを止めることはできない。あの人自身がそう言ったし、そしてそれは事実だということ」
「そんな・・・・」

 カロリーネ皇女殿下はアルフレートを見た。ヤン艦隊に乗るか、あるいはコーデリアの艦隊に乗るか、戦場到着ぎりぎりまで迷った末に彼はカロリーネ皇女殿下のそばにいることを選択し、ヤン、そしてコーデリアに申し出て許されたのである。
 アルフレートは顔面蒼白になりながら尋ねた。

「全艦隊の全武装をもってしても、ですか?」
「その通り。そしてそれを打開する一つの方法が『歌』なのだから」
「・・・・・・・・」

 沈思しているアルフレートの隣に立っていたカロリーネ皇女殿下はこの時不思議な気持ちに襲われていた。目の前の事態よりも耳に聞こえてくる旋律の方に気を取られていたのだ。今までは眼の前の戦況に気を取られていて気づかなかったが、

「この歌・・・・どこかできいたことがあるかもしれない」

 つぶやくようにして言った。どこだろうか、前世ではないことは確かだ。では――。
 思い出した。悲しいとき、寂しいとき、どこか自然にこの歌が出てきていた。
 不意にカロリーネ皇女殿下は何故自分がここにやってきたのかを悟った。
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