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神機楼戦記オクトメディウム
第4話 舞いの神:前編
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出されたのである。
「っ!?」
 姫子はそれを間一髪で弾神に回避させるのであった。それは、敵の予備動作を見た後に無意識の内に行った事である。
 そして、その光線は無事に空を切り、事なきを得たのであった。
「ふう……、危なかったぜぇ〜☆」
 姫子は女の子だというのに『ぜ』などと語尾に付けたのであった。別に彼女は男口調という訳ではないのだが、何となくこういう危機一髪な状況では口にしたい所であるのだった。
 だが、こうして余裕をぶっこいていられるのも今の内であるのだった。何故なら、今こうして敵の思わぬ光学兵器による攻撃を回避出来たのは幸運によるものだったからである。
 しかし、幸いな事に敵にはそれを覚られてはいないようであり、かぐらはこう言うのであった。
「さすがは蒼月の巫女ね。この程度の攻撃は避けられて当然って事だね?」
 そうかぐらは憮然とした態度で決め込むのであった。これまた幸いな事に、敵には姫子は運動音痴である事は知られてはいないようである。
 姫子はそんな今の状況をなるべく利用すべく、敵に自分のスペックは知られないように努めようと思い、そう素知らぬ顔で振る舞うのだった。
 しかし、その涙ぐましい努力が、どうやら事態の暗転を導いてしまったようだ。
「そんなあんたには、この子の真骨頂を見せてあげないといけないよね?」
 そうかぐらが言うと、イワトノカイヒは彼女を乗せたまま飛び上がったのであった。
 それは……決して比喩表現などではなく、文字通り機体が空へと舞い上がったのである。当然それを見た姫子は驚愕するのであった。
「嘘ぉ! 最初のボスから飛行ユニットって難易度高すぎるでしょ!?」
 ……これまたメタ発言が入っていたが、取り敢えず彼女の心情は驚きで支配されていた事を分かって貰えればいいだろう。
 そして、度肝を抜かれた姫子を尻目に、瞬く間にかぐらはその飛行高度を上げたのである。
 その後、姫子が安易に手を出せないだろう所まで来ると、彼女はまるで空中に足場があるかのように宙で静止をしてみせるという芸当をこなしたのだ。
 そして、かぐらはその体勢のまま、余裕の態度で以てこう言うのであった。
「どうかな? 自分の手に届かない場所にまで行かれるご感想は?」
「くぅぅ……空から相手を見下ろすって一度やってみたいけど、自分がやられると腹立つなぁ〜」
 それは、中二病が抜け切っていない姫子ならではの感想だった。
 そんな姫子に、かぐらは内心「自分もそんな時期があったなあ」と感慨深い気持ちになっていたのである。
 だが、敵は自分の仕える邪神の邪魔立てをする忌まわしき巫女なのだ。故に同情は禁物なのであった。
(もしかしたら、私が大邪に選ばれなかったらいい友達になれてたかも……)
 このようなこそばゆい感情が頭をよぎるも、か
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