暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
見習い騎士は儚き未来に思いを馳せる
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前を挙げるよね?」
 流星の言葉に、一瞬だけ恭一郎の肩が跳ね上がった。
「……もしかして恭一郎、小日向さんのことs「流星!その話はやめよう、いいね!?」むぐぐ……」
 慌てた顔で頬を赤らめつつ、流星の口を塞ぐ恭一郎。
 会話の内容が聞こえていなかった紅介と飛鳥は、不思議そうな顔でそんな二人を見つめているのだった。
 
 
 
 校門の向こうへと去っていく、現在校内でも噂のラブラブカップル。
 その後ろ姿を見送る四人の女子生徒の方へ、四人の男子生徒が近付く。
「おっ、リディアンカルテットじゃん。何だ?女子会か?」
「あっ、四バカ!」
「四バカではない!アルティメイトフレンズゼータだ!」
「略してUFZ」
 からかうような口調で現れた紅介に対し、弓美から不名誉な方の呼称で呼ばれた飛鳥は、それを大真面目に訂正する。流星も丁寧に、真顔で略称を補足する。

「相変わらず長いね……。ってかムラコー、私達の名前テキトー過ぎない?」
「だったら、お前らもグループ名決めたらいいじゃねえか。安藤、そういうの得意なんじゃねぇの?」
「う〜ん、グループ名かぁ……」
「加賀美くん達の部活名、中々イカしてますもんね」
 紅介、飛鳥、流星と創世、弓美、詩織が談笑を始める中、恭一郎は未来の隣に立つ。
「小日向さん」
「加賀美くん……」
「元気がないように見えるけど、どうしたんだい?」
「ううん……なんでもない……」

 絶対に何かある。恭一郎はそう確信した。
 共学するようになり、未来を見る中で恭一郎は、彼女の性格を理解しつつあった。
 内向的で自分の意見をハッキリ言えないタイプ。親友である響に依存しがちな節があり、どこか危うい……。
 そんな未来の事を、恭一郎は気にかけるようになっていた。
(友達思いな強い子だと思ってたけど……小日向さん、普段はちょっと弱々しいんだな……)
 
 恭一郎が未来を意識するようになったのは、ルナアタック事件の渦中だ。
 あの時、誰もが絶望しかけた中でも諦めず、戦場に立つ親友の為に周囲を動かした彼女の姿に、恭一郎は惚れていた。
 共学するようになり、普段の彼女の性格を知ってからは、尚更惹かれるようになっていた。
 心優しい人を守る、優美なナイトでありたい。純の”王子様”としての在り方に惹かれた恭一郎にもまた、そんな夢があった。
 幼かった頃、物語の中に出て来た騎士の姿。そのかっこよさに心を打たれ、そうなりたいと本気で思っていた、純粋だったあの頃。それを思い出させてくれた純を、恭一郎は友人として深く尊敬していた。
 そして、ナイトにもまた、剣を預けるべき姫君が必要だ。恭一郎にとってのそれは、一目惚れした未来こそが……。
 だからこそ、恭一郎は今、未来をどう励ませばいいのかを考えていた。
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