暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
第5楽章〜交わる想い、繋がるとき〜
第48節「君色に染まる空の下で……」
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ッチを入れていた事には、誰も気付いていなかった。

「立花、歌えるよな?」
「翔くんに勧められて、テレビ版と劇場版は全部見たからバッチリだよ!」
「じゃあ俺が右側だな」
「え?翔くん左側じゃないの?」
「頭脳労働担当は俺向きだろ。立花に中折れ帽が似合うのかはともかく」
「あー……。うーん、麦わら帽子なら!」
「うっ……それは間違いなく似合う……」

 そんな会話を繰り広げながら2人が選んだのは、特訓の間に翔が響に勧めて見せた特撮作品の曲だった。

『W-B-X〜W-Boiled-Extreme〜』

 2人で左右横に並び、歌い始める。

「「君と」」
「なら叶えられるHalf×Half〜」
「ダブルボイルドエクストリーム!」
「「W-B-X!」」

 それぞれのパートからハモリまで、響の元気な歌声と対象的に、クールな翔の歌声。
 その対比がまさに、その作品らしさを醸し出していた。

「「Wを探せ〜」」

 そして最後は2人で背中を合わせ、『街を泣かせる悪党達へと投げかけ続ける言葉』のポーズを取る。
 瞬間、翼は素早くシャッターを切った。

「ちょっ!姉さん!?」
「あまりにもノリノリだったのでな。つい撮ってしまった」
「も〜、いきなり撮るなんてひどいじゃないですか〜!」
「後で送ってやる。気にするな」

 悪びれる様子もなくそう言う翼の顔は、どこか楽しげだった。

「それで、2人の得点は?」

 未来が特典を確認すると……そこに表示されていた点数は、予想外のものであった。

『93点』

「私達を追い越した……だとぉ!?」
「うそ!?」
「やったー!勝ったよ翔くん!」

 驚く翼と未来。響は飛び上がって喜んだ。

「初めて姉さんに勝てた……やった!」

 翔も驚きながら、響と2人でハイタッチする。
 歌で勝負する以上、手は抜いていない。翼は素直に自身の敗北を認めた。

「不覚……!いや、翔と立花の呼吸が私と小日向を凌駕していた、というわけね。認めるわ……」
「未来〜、勝ったよ〜!イエーイ!」
「おめでとう、響」

 響は未来ともハイタッチを交わす。
 その様子を見守りながら、翼は翔を指さす。

「今回は負けたけど、次はシングルで私に勝ってみなさい!」
「勿論だ!今度は立花の力を借りず、自分の歌唱力で姉さんに勝つ!」

 大人気ない姉の言葉に、呆れもせず素直に応じる翔。
 やっぱり姉弟なのだと、響と未来はそれを見て笑った。

 

「さて、ここまで一緒の時間を過ごしたんだし……もうそろそろなんじゃない?」

 会計をしながら、翼は未来にそう話しかける。

「そうですね。そろそろ時間ですし、最後のポイントまで向かいまし
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