暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第36話
[2/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いうのが”巨イナル一”か…………」
「ヴァリマールを含めた騎神とも関係しているみたいだが…………」
アルベリヒの説明を聞いたローゼリアとアンゼリカは厳しい表情を浮かべて考え込んでいた。

「1200年前に存在していた焔の至宝”アークルージュ”に大地の至宝”ロストゼウム”。その相克の果てに生まれた”鋼”を、地精と魔女は七つに分割して抑えた。しかし――――――”力”はともかく”呪い”までは抑えきれなかったのだ。そうして暗黒竜、獅子戦役、12年前の百日戦役などは起きた。もちろん去年の内戦や。皇帝が撃たれたことも同じだ。」
「な…………暗黒竜とやらと父上の件はともかく…………それぞれの事件に、呪いなんていうものが介入する余地はあったのかい!?」
アルベリヒが口にした驚愕の事実に一瞬絶句したオリヴァルト皇子は真剣な表情で問いかけた。
「クク…………おかしいとは思わなかったのかね?――――――いかに事情があったとして、開戦の口実に自国民を虐殺するなど近代国家ではおよそあり得ない事件だ。露見した場合のコストにも見合わない…………”普通なら理性が邪魔するはずなのだよ。”黒幕は小貴族の将官達。彼らは個人としては特に邪悪でもなかったという。そうですな、閣下?」
「ああ、彼らは良くも悪くも平凡だった。四大名門の圧力や結社の使徒の入れ知恵もあったがそれだけでは説明できぬほどの愚行だ。取り調べで彼らは言っていた――――”魔が差した””自分が信じられない”と。」
アルベリヒに話を振られたオズボーン宰相はかつての出来事を答えた。

「…………なるほど、そういうカラクリか。」
「そ、それじゃあ、もしかして…………」
「それが”巨イナル一”という存在の”呪い”だというのかい!?」
二人の話を聞いたローゼリアは静かな表情で呟き、ある事に気づいたトワは不安そうな表情をし、アンゼリカは厳しい表情で問いかけた。
「フフ…………無論、原因の全てではない。だが人や社会というシステムの作動において”黒い種”を植え付けるような”何か”――――その具象化された極みが関係している事を皇帝の件が証明している。」
「ちなみにユーゲント皇帝を銃撃した”犯人”――――――アッシュ・カーバイドはハーメルの”三人目の遺児”だ。」
「な…………ヨシュア君とレーヴェ君以外の”ハーメルの遺児”が他にもいたというのかい…………!?」
「…………なるほどの。恐らくそのアッシュとやらは12年前のハーメルの悲劇でその”黒い種”とやらが植え付けられたかもしれぬな…………」
アルベリヒの説明を補足したゲオルグの説明を聞いて一瞬絶句したオリヴァルト皇子は信じられない表情で声を上げ、ローゼリアは重々しい様子を纏って推測を口にした。

「フフ、正解だ――――――あれは我々が仕込んだものではない。いつ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ