暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少?リリカルなのは UnlimitedStrikers
第34話 砂漠の逃げ水
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る。背後の魔法陣を始めに、両手に展開している魔法陣が一瞬揺らぐが。直ぐに修正・再展開。

 だが、何故動きが読まれる? 読まれたとしても、これは分かってなければ対応出来ない筈だ。今この一瞬ならば、フェイトさんよりも早いという自負すらある。もっと言えばこの瞬間、私と同等の速度を出せる者など居ないと考える。

(分からないようなら教えてやろうか?)

「ッ、何を!」

 突然の念話に自然と足が止まる。だが、足を止めて分かったのは、呼吸をしているだけで、激痛が奔る。口元を腕で拭うと血が出ている。なるほど、無理した結果がこれか。

(いやいや、近代式でこんなものを開発する者が居るとは。恐れ入った……。惜しむべきは……君の魔力資質が雷系だと言うことだ。秒速800m程度かな? 間違いなく君は今、この次元世界の中で最も早いだろう。だが、所詮は雷化をしていない。あまつさえ……無理をして、生身の限界を超えている)

 呼吸を整える。だが、痛みで咳き込んでしまう。再びエラーが発生。それを修正、維持。同時に、藍色(・・)の効果を()に適用する。

(何度空気の壁を突破している? 身体強化だけで、盾を付与した程度で。それを超えればダメージは自然と積み重なる。だが、それはこの際どうでもいい。恐らく君はこう考えている。なぜ、攻撃を読まれるのか)

 痛みが消える。いや、痛覚を断ち切る。そして、時間は……まだ、3分しか……否。3分も経ってしまった。残り時間は大凡、6分と3分。さっきまでの私を消してしまいたい。素敵なんて言ってた自分が滑稽に見える。

(答えは単純。君が雷の魔力資質だと言うことだ)

 次はどうする。もっと速度をあげるか。だが、これ以上は……いや、やらないと。今、30分の内の……あれ。今何分経った? いけない。前が霞む。だが!

 コチラに話しかけている内に、もう一度踏み込む!
 
(技の初めで止めればいい。だが、君は気づいていないだろうが。君が現れる位置。もっと言えば――君が拳を振るう時、私の体に近づいた時、ご丁寧に先駆放電(ステップトリーダー)で、位置が分かる上に、先行放電(ストリーマ)によって)

 背後を取った。今なら!

(こうなるんだよ)

「き、ゃあああああああ!!!!!」

 伸ばした右の拳を鞘で止められ、今までとは違い、体ごと弾き飛ばされてしまった。

 ――体制制御。違う、受け身を。否、術式の展開にエラーが、再展開を。ううん、まずは、まずは……。あれ?

 訓練スペースの上に叩きつけられた。だけど、そう理解するまで時間がかかってしまった。

 いけない、頭が白くなる。

 駄目、術式が消えてしまう。

 不味い。体の魔力が制御出来ない。

 駄目、駄目駄目
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