暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
ロックマンX5
第97話:Eurasia City Broken Highway
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発揮するのは誰かを守ろうとした時」

ずっとエックスの戦いを見守ってきたエイリアはエックスが本気を出すのは他者を守る時だというのを理解していた。

「ふうん…一定の条件が揃わなければ本気を出せないとはエックスも難儀だね…後でフォースアーマーのプログラムとエックスのDNAデータの適合率をチェックするから後でデータを僕にも回しておいてくれ。」

「ええ、分かったわ」

「ゲイトさん、ゼロをお願いします」

「勿論だよ」

ゲイトはトレーニングルームを後にすると、ゼロの待っているハンターの武器開発のラボに向かう。

ゼロの不完全なバスターの調整をしなければならないからだ。

「それにしても流石はエックスね。敵に対して的確なタイミングで攻撃を放っている。射撃の精密さと正確さは殆ど芸術の域だわ。復元したフォースアーマーもオリジナルと使い勝手が異なるのに完璧に使いこなしているし…本当に強くなったわ」

エックスの戦いぶりをモニターで見つめつつ、エイリアは思わず感嘆する。

同時に今までの臨時オペレーター時代のエックスのことを思い出して感慨に浸る。

「フォースアーマーとエックスの組み合わせに勝てる敵はまずいないだろうね…あ、エイリア。エックスがシャッターの前に」

「え?もう?早すぎるわよ…今日のトレーニングプログラムは自信作だったんだけど…はあ、また作り直しね…今度はゲイトと共同製作してみようかしら」

自信作のトレーニングプログラムをこうまで簡単に攻略されては少しばかり落ち込むエイリア。

ゲイトとの共同製作も視野に入れ始めたエイリアにルインの顔は引き攣った。

「ゲイトと共同製作したらクリア出来ない人が続出だよ…エイリア、そんなことよりも」

「ええ」

ルインに促されたエイリアはこのトレーニングプログラムのボスの準備を始めた。

「………」

エックスはシャッターの前にいた。

この奥にいるボスはハンターベースのホストコンピュータに蓄積された過去のイレギュラーをエミュレートしたものである事が多い。

『じゃあエックス。トレーニングの締め括りよ』

「ああ」

エックスがシャッターを潜ると、彼の眼前に現れたのは竜を象った真紅のボディを持つ格闘家姿のレプリロイドであった。

「…こいつはドラグーンか?」

『ええ、マグマード・ドラグーンをエミュレートしたわ。あなたとの相性が悪い敵かもしれないけれど、これで最後よ。頑張って』

「了解……」

エックスは前回の大戦でイレギュラーへと身を堕としたかつての仲間の姿を悲しげに見つめながら腕をバスターに変形させ、片手でブレードを構えた。

「波動拳!!波動拳!!波動拳!!」

ドラグーンの掌から放たれる火炎。

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