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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
外伝〜ミルディーヌ・ユーゼリス・ド・カイエン〜前篇
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領邦会議、2日目(最終日)

〜フォートガード・カイエン公爵家第二城館〜

「方々、よろしいですな!?前公爵は2年前の内戦で既に戦死し、前公爵直系の娘達は他国―――クロスベル帝国に帰属した以上、もはや前公爵の娘達を再びエレボニアの貴族として復帰する事は叶いますまい!ならば早急に次期公爵を推挙する必要があるのです!四大名門を揃え、貴族全体が生き残る為にも!」
自分が追いつめられている立場である事を理解していたバラッド侯爵は必死の様子で演説をしたが、会議に出席している貴族達は誰も言葉を口にする事なく何の反応もしなかった。
「ど、どうしたのだ…………!?わかっているのであろうな!?ワシはエレボニアのカイエンを継ぐ唯一の―――」
周りの貴族達の反応に戸惑ったバラッド侯爵が主張を続けようとしたその時、ユーシスとアンゼリカが立ち上がってバラッド侯爵に対して宣言をした。
「――――此度の件、そして度重なる公費の私的乱用…………」

「四大名門の現当主、並びに当主代理として結論しました。」

「バラッド侯―――次期公爵候補から貴公を正式に外させていただく。オルディスのユーディット皇妃陛下からも、此度の騒動に巻き込まれたオルディス地方は貴公を次期公爵候補から外せば、エレボニア・クロスベル間の国際問題には発展させないようにヴァイスハイ皇帝陛下並びにギュランドロス皇帝陛下の代理であるルイーネ皇妃陛下を説得すると確約して頂いている。」

「!?」

「コホン…………それではお入りください。」

「…………失礼します。」
二人に続くように立ち上がって宣言したハイアームズ侯爵の宣言にバラッド侯爵が驚いたその時、バラッド侯爵の背後に控えていたパトリックが言葉を口にすると少女の声が聞こえてきた。すると”長髪のミント髪の少女”とレンが部屋に入ってきた。
「あの娘は…………?」

「メ、メンフィル帝国のレン・H・マーシルン皇女殿下…………今年の春に新設されたトールズの分校に教官の一人としてメンフィル帝国から派遣され、その分校が”演習”という形でフォートガードに滞在しているとは聞いていたが。」

「な、なんだ…………どこかで見たような…………」
二人の登場に諸侯達が戸惑っている中、バラッド侯爵は困惑の表情で少女をよく見つめ、少女が意味ありげな笑みを浮かべると少女がミュゼであることに気づいた。
「な…………!?もしやその顔―――」「

「前公爵クロワール・ド・カイエンが姪にして現クロスベル側のユーディット・ド・カイエン公爵代理の従妹。ミルディーヌ・ユーゼリス・ド・カイエンと申します。―――お久しぶりですね、大叔父様。」
驚いているバラッド侯爵に対して恭しく礼をしたミュゼ――――――ミルディーヌ公女は自己紹介をした後バラッ
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