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英雄伝説〜灰の軌跡〜 閃V篇
外伝〜ミルディーヌ・ユーゼリス・ド・カイエン〜前篇
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ド侯爵に対して意味ありげな笑みを浮かべた。
「……………………」

「公子アルフレッドの忘れ形見か…………!」

「まあ、前カイエン公の兄君で海難事故で亡くなられたという…………!」
エレボニア側の新たな次期カイエン公爵候補にして、バラッド侯爵よりも遥かに候補としての資格があるミルディーヌ公女の登場にバラッド侯爵が驚きのあまり口をパクパクしている中諸侯達は興奮した様子で公女ミルディーヌを見つめた。
「ふ、巫山戯るなぁああっ!こんな茶番、認められるものかああっ!」
そしてウォレス准将が合図をすると統合地方軍の兵士達はみっともなく喚くバラッド侯爵をその場から無理矢理連れ出した。


「…………それでは方々、採決をお願いします。こちらの公女ミルディーヌ殿をエレボニアの次期カイエン公に推挙するか否かを。」

「善きかな!」

「異議なしだ!」
バラッド侯爵が締め出されるのを確認したパトリックが諸侯達に確認すると、諸侯達は満場一致を示すかのように全員拍手をし、その様子をイーグレット伯爵夫妻が見守っていた。
「――――それではご挨拶の代わりに、最後の議題を追加させていただきます。帝国政府からの圧力と、彼らが帝都の夏至祭以降に進めようとしている”計画”。即ち、メンフィル・クロスベル連合への侵攻と、『国家総動員法』への対策について――――――」
その後席についたミルディーヌ公女はある議題を挙げて、それについての説明をし、説明を終えると諸侯達はそれぞれ驚きの声を上げた。


「な…………っ!?」

「りょ、領邦軍だけでなく、メンフィル・クロスベル連合とも盟を結んで鉄血宰相―――帝国正規軍に対抗するですと…………!?」

「た、確かに彼らと盟を結ぶことができれば、形勢は一気に逆転して、ミルディーヌ殿達―――”ヴァイスラント決起軍”の勝利は固いが…………」

「メンフィル帝国のレン皇女殿下がミルディーヌ殿と共にこの場に現れ、傍聴を続けている事に疑問を抱いておりましたが、まさか既にメンフィル帝国との盟を結べた為、それを示すために殿下がミルディーヌ殿と共に現れたのですか…………!?」
公女ミルディーヌが考えている”対策”の内容に驚きの声を上げた諸侯達の中の一人は公女ミルディーヌの背後に控えているレンに問いかけ
「フフ、(わたくし)に関しましてはあくまで”トールズ第U分校の教官として”、建前上は実家である”イーグレット伯爵家に外泊する”という理由でアーヴィング主任教官にも内密で演習地を抜け出して今回の会議に出席している公女殿の付き添いの教官としているだけですわ。」

「”レン教官”も仰ったように、この場でのレン教官の立場はあくまで”第U分校の教官として”ですわ。―――最も、レン教官には教官のご家族で
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