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星河の覇皇
第七十部第二章 同士討ちその三十八

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 その彼等が言い合う隙にだ、先程とは別の海賊達が来てだった。
 彼等を見てだ、下っ端達が船長達に言った。
「あれはどうやらです」
「何処かの海賊ですね」
「俺達の縄張りを荒らしに来ましたか」
「そうしてきたみたいですね」
「まただな」
 船長も苦い顔で応えた、下っ端達の言葉に。
「最近多いな」
「そうですよね」
「何かっていうと来ますね」
「何か動き止めてますけれど」
「近頃しょっちゅう来ますね」
「飽きる位に」
「もう飽きたぜ、俺は」
 船長の一人がこう言った、見ればほんの小規模な艦隊だ。それこそ外縁部の小勢力の海賊達と言っていい。
 その数隻のうちの一隻の船長がだ、こう言ったのだ。
「だからな」
「はい、もうですね」
「ここはあっさりとですね」
「潰しますか」
「そうしますか」
「ああ、何かこっちには気付いていないみたいだしな」
 それでというのだ。
「仕掛けるぞ」
「ですね、気付いていないなら好都合です」
「やってやるだけです」
「それが俺達のやり方ですから」
「海賊のやり方ですからね」
「やるぞ」
 仕掛けるというのだ。
「今からな」
「はい、やってやりましょう」
「全員皆殺しですね」
「縄張り荒らしやがって」
「目にもの見せてやりましょう」
 船の中で言い合いを続ける彼等に気付かれないうちにだった。
 テロリスト達の生き残りの近くに彼等が知っている物陰から慎重にかつ迅速に進んでだった。そのうえで。
 一気に攻撃を仕掛けた、テロリスト達は彼等が気付かないうちに全員その攻撃を受けて宇宙の藻屑と消え去った、海賊達はその残された残骸達を見て笑って言った。
「よし、これでいい」
「縄張り荒らしは消えましたね」
「全員」
「これで終わりましたね」
「ああ、全員な」
 船長の一人が満面の顔で応える。
「これでよしだ」
「それじゃあですね」
「引き揚げますか、もう」
「そうしますか」
「そうしないとな、最近な」
 彼等にしてもというのだ。
「ちょっと留守にしたらな」
「敵が攻めてきますからね」
「どっかの簾中が」
「仕事に出ても」
「そこで本拠地攻めてきますからね」
「こんなにあちこちでごたごたやり合うなんてな」
 それこそとだ、船長は乗組員達に話した。
「なかったな」
「とてもですね」
「ここまで物騒じゃなかったですね」
「あちこちの簾中が無茶苦茶に攻め合う」
「そんなのないですね」
「お陰で仕事もだ」
 彼等の生業は言うまでもない、商船や周辺のコミュニティを襲っての略奪だ。宇宙の時代も海賊のやることは同じだ。
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