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星河の覇皇
第七十部第二章 同士討ちその三十七

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「ですから」
「ここはか」
「一旦退き」
「そのうえでか」
「戦力を立て直してです」
 そうしてというのだ。
「もう一度来ましょう」
「それは出来ない」
 リーダーは参謀の言葉にすぐに答えた。
「若しここで退くとだ」
「どうなるというのですか」
「もうアジトでの物資の在庫がないんだ」
「だからですか」
「ここで退くとだ」
 どうしてもというのだ。
「それが出来ない、失敗は許されない」
「何としても」
「略奪に行きだ」
「略奪を成功させる」
「そうする」
 絶対にというのだ。
「いいな」
「ですが」
「今の戦力ではか」
「それは無理です」
 どうしてもというのだ。
「失敗します」
「そう言うがだ」
「どうしてもですか」
「ここは退けない」
「しかし」
「このまま進む」
 彼等は満身創痍となっている、犠牲者も多く出ている。しかしというのだ。」
「何としてもな」
「どうしてもですか」
「くどい!」 
 リーダーはどうしても止めようとする参謀に激昂の言葉で返した。
「もう決めたんだ!」
「ですがこのまま行きましても!」
 参謀も激昂には激昂で返した。
「返り討ちに遭います!」
「ではこのままジリ貧になってもいいのか!」
「この戦力で何が出来ますか!」
「革命の成就にはこれ位なんだ!」
「無謀で革命は成功しません!」
「勇気なくして革命なしだ!」
 あくまで言い合う二人だった、その二人を見てだった。
 生き残った者達も不安になりだ、ひそひそと話をしだした。
「どちらが正しいと思う」
「リーダーか参謀のどっちがか」
「どちらが正しいか」
「そのことだな」
「ああ、どう思うんだ」
 このことについてというのだ。
「どちらが正しい」
「それはわからないぞ」
「リーダーの言うことは革命に必要だが」
「しかし参謀の言うことも一理あるぞ」
「このまま行っても奪取は成功するか」
「だがここで去っても我々はジリ貧だぞ」
「どうすればいいんだ」
 そのことが我等にはわからなかった、それでだ。
 彼等もそれぞれ話、もっと言えば言い合いをはじめた。それは完全に小田原評定であり彼等にとっては無駄な時間だった、しかし。
 彼等は彼等なりに賢明な判断を下した、リーダーも参謀もどちらも周りの者達にこう言ったのだ。
「いいか、総括はするな」
「武器は持つな」
 こう同志達に言ったのだ。
「そうしても何もならない」
「既にそれで多くの同志を殺している」
「これ以上の総括は我々の存続に関わる」
「先程の戦いで多くの犠牲を出したからな」
「何とか話で収めろ」
「武器は持たず酒を飲まず話をしろ」 
 こう言って下手な騒動の激化を止めさせた、だが。
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