秋祭りにはお熱い犬を?・その1
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「はぁ。ホットドッグねぇ」
「そうよ、何か文句ある!?」
ずびし!と指を指しながら俺に凄んでいるのは霞の奴だ。普段からキツい言動の目立つ彼女だが、実の所は世話焼きで、そのキツい言動も相手を思いやるあまりに心配症が過ぎて照れ臭くなり、照れ隠しであんな喋り方になっている。一部の連中からは『雷ちゃんはダメ男を作るオカン、霞ちゃんはダメ男を依存させるオカン』なんて言われてたりする辺り、お察しだろうさ。んで、そんな霞オカンは毎年恒例になっている(なってしまった)鎮守府の秋祭りに朝潮型から選抜した面々でホットドッグの屋台を出したいとかなんとか。
「七駆の秋刀魚の屋台には負けてらんないのよ!」
青葉の奴が面白がって、出店賞とそれを予想するトトカルチョなんて始めやがったもんだからさぁ大変。皆それぞれのグループで思い思いの屋台を出すようになってきた。俺?俺は端の方でドリンクの提供してるだけさ。まぁ、それでもそれなりの儲けは出るが、俺は出店賞レースには不参加。同じような理由で鳳翔と間宮の店もレースには不参加になっている。……そうしないとレースの予想が偏るんだよ、マジで。
話が逸れた。今はそれよりもホットドッグだ。
「ホットドッグって一口に簡単に言うが霞、お前どんなホットドッグ出すつもりだ?」
「はぁ!?ホットドッグなんてコッペパンにソーセージ挟んだだけのお手軽料理でしょ!どこに工夫の余地があるのよ!?」
「ちっちっちっ、判ってねぇなぁ。一見シンプルに見えるからこそ、工夫しなけりゃありきたりすぎて売れねぇんだぞ?」
まぁいいや、その辺の話は今晩にでも店でやろうじゃねぇか。じっくりとな。俺は霞に第八駆逐隊の他のメンバーを誘って店に来るように、と言付けて執務室から追い出した。
さて、その日の夜。
「約束通り来てあげたわよ」
「司令官、私達の出店にアドバイスを頂けると聞いたのですが……」
「美味しいホットドッグ、ドーンとお願いしますっ!」
「あらあら〜、霞ちゃんは素直じゃないのねぇ」
と、個性的な朝潮型の4人はわかる。
「……俺の目には余計なのが3人程見えるんだがな?」
「あら、余計なのとは酷いんじゃない?Admiral」
「そうよねぇ、ドッグなら私達は専門家みたいなものよ?」
「何せAmericaのソウルフードだからね!」
何故だかアイオワ、サラトガ、イントレピッドの3人がいる。
「実はお店の前でバッタリ会って、これからホットドッグの試食をすると言ったら私達も混ぜろ……と」
少し申し訳なさそうに、朝潮が事情を説明してきた。まぁ、ホットドッグの発祥の地であり本場と言えばアメリカだ。何せ、ナショナル・ホットドッグソーセージ評議
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