暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第6章:束の間の期間
第172話「予兆と決意」
[1/9]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話











「……これは、不味いですね……」

 光が溢れる空間で、サファイアを彷彿とさせる雰囲気の女性がそう呟く。
 彼女の目の前には、光溢れる空間でなお闇を生み続ける球体があった。

「……封印が、解けかけています」

 球体の中には結晶があり、その結晶が罅割れていた。

「このままでは……っ!!」

 女性の言葉を遮るように、罅が増える。
 そして、結晶が割れていき……

「くっ!」

 咄嗟に、女性が封印を上乗せする。
 しかし、それは焼石に水程度の効果しかなかった。

「く……っ……!」

「サフィアちゃん!」

 そこへ、別の女性が助太刀する形で現れる。
 サフィアと呼ばれた女性と対称的に、彼女はルビーを彷彿とさせる女性だった。

「ここは私に任せて、皆に知らせに行ってください!」

「しかし、姉さん!」

 その女性はサフィアにとって姉のようで、サフィアに対し自分に任せるように言う。
 だが、サフィアは姉一人を残していく事を躊躇ってしまう。

「二人残った所で無意味です。それなら、一人が誰かに伝えた方が、よっぽどマシですよ」

「っ……」

「大丈夫です。私はサフィアちゃんのお姉ちゃんですから。そう簡単に消えたりしませんよ」

「……わかり、ました……!」

 苦渋の決断をして、サフィアはその空間から消えるように離脱した。

「……目覚めますか。かつて神界を襲った災厄の化身が」

 出来る限り時間を稼ぐため、封印を上乗せしながら、残った女性は呟く。

「“無限の可能性”……私たち神々全員が、それを示せればよかったんですがね」

 女性は、自身が上乗せした封印が解かれるのを止める事が出来ないまま、どこか諦めたようにそう呟くしかなかった。















   ―――“闇”が、目覚める……



























       =優輝side=







「………」

 守護者を倒した翌日。
 僕はトレーニングルームを借りて体の調子を確かめていた。

     ヒュヒュン!

「ふっ……!」

 矢を射る。レイピアを振るう。
 創造して建てておいた的に矢は命中し、一気に的に肉薄。
 レイピアで的をかち上げ、細かく切り刻む。

「……不調自体はない。……いや、なさすぎる、か」

 あまりにも体の調子が良すぎた。
 それこそ、体は全快していないのに、全快した時と同等以上に。

「戦闘による経験を積んだとしても、これは良すぎる」

 経験
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ