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銀河英雄伝説〜生まれ変わりのアレス〜
帰還の後に
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のいくものだったらしい。
 軍人らしいシトレの体つきに対して、一般人である国防委員長は鷹揚に肩を叩いている。

 普段の様子から想像するに、いろいろと詰め物をしているらしい。
 滑稽な様子ではあったが、ニュースでは英雄たちの帰還とまじまじとテロップが流れていた。
 バーラト星域で第五艦隊を駐留するドックからハイネセンに向かう途中の小型艇で、画面を見ながら、アレス・マクワイルドは昼食のパンプキンスープをスプーンでかき回した。

 テレビではずいぶんな誉め言葉を繰り返している。
 最も、カボチャ料理を注文したら、堅かったので外側に切れ込みしかできませんでしたといって、カボチャが出てくるようなものである。冷静に考えれば、犠牲者を増やした結果だけであるが、それでも持てはやされるのは政治家と軍の意見が一致したためだろう。

 反戦派の意見もないことはないが、主戦論があまりにも強大すぎるのだ。
 それは長年続く戦いの恨みか。
フェザーンの軍需産業資本とそれから多額の資金を得ている報道機関のせいか。
 原作を考えることもなく、フェザーンからすれば戦いは続かなければならないのだ。

 帝国と和平などすれば、フェザーンの利用価値はなくなってしまう。
 だからこそ、多くの報道機関は主戦派の意見を採用している。
 帝国だけではなく、フェザーンも相手にしなければならない。
 頭の痛い話に、アレスは食欲すら失いながら、パンプキンスープを眺めていた。
「助かったのに、ずいぶんな顔だね」

 対面の席に盆が置かれ、顔をあげると、そこには黒髪の青年がいる。
 ヤン・ウェンリーだ。
 腰を下ろし始めたヤンに、アレスは小さく苦笑する。
「命からがら逃げだしたと思ったら、待機中ずっとお説教でしたからね」
「まだ通話だからよかったじゃないか。ワイドボーンが会いたがっていたよ」

「怒り足りないの間違いでは」
「そうともいうね」
 ヤンが冗談交じりに笑えば、パンをスープに浸して一口食べた。
 決してマナーの良い食事風景ではなかったが、軍人しかいない小汚い食堂ではそれを気にするものもいない。

 否定の言葉がなかったことに、アレスも嫌そうな顔をして、スープを飲んだ。
 しばらく無言の食事が続いた。
 アルミの皿を撫でる、スプーンの金属音。
 そして、ニュースから繰り返し流れる戦いのニュースだ。
 それは無人艦が爆発して、敵駐留艦隊を混乱に追い込むワンシーン。

 逃げ出すための無理やりの策ではあったが、何も知らぬ同盟市民には何よりの娯楽だ。
 憎き帝国軍が何もできず、ただ爆破によって翻弄される。
 その数十分前にあった、トールハンマーの砲撃が映し出されることはなかった。
「聞いてもよろしいですか」
「答えられることなら
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