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獣篇V
39 夢か現(うつつ)か
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わね。だって私、これでも一応真選組隊士だから。一応仕事はしないと。だからあなたたちの邪魔にはならない程度に、テロを防止してるのよ。なんて国民思いなんでしょ。」

ニヤニヤして晋助(かれ)を見ると、苦虫を噛み潰したような顔をしていた。ちょっとせいせいする。

_「…子どもを産むまではこの船から出してやらねェ。覚悟しろ。」


だろうな、とは思ってたけど。

_「ハイハイ。どうせこの状況では逃げられないでしょうよ。それくらい無駄なことだって分かってるわ。私、そこまでバカじゃないもの。」

_「わかってんならいい。」

と、不貞腐れた顔をしていたので、ついニヤニヤしてしまった。


_「大変ですねぇ、総督様?www
あ、そうだ。お風呂入る?入るならお風呂沸かすけど。」

_「いや、オレが沸かそう。」

おお!やるじゃない。www
よっ、アマチュア家事職人!www

_「え?してくれるの?」

_「…あァ。やってやらァ。」

_「ありがとう。では、お言葉に甘えて。お願いします。(*´・ω・`)b」



と言うと、晋助(かれ)はお風呂場に消えていった。

***

所々特ダネを盛り込みながらしばらく手元のレポートを書き進めていると、30分後くらいしてから晋助が上がってきた。

_「オイ、零杏。お前、風呂いいぜ?入れるか?」

あらまー、なんか素敵な殿様が目の前に。

_「切りの良いところまでやったら入るわ。ありがとう、晋助。」

優しく微笑むと、晋助は煙管に刻み煙草を詰め始めた。
そういえば、と晋助(かれ)が口を開く。

_「お前、レポート書いてるとか言ってただろォ?ちょっと見せてみろや。」

え?

_「…いやいや、多分あなたが見ても何も分からないと思うけど、一応見せてあげるわ。」

私の肩に腕を回して、私を抱き締めながらそのレポート見ていた。
オイ、結構特ダネが多いじゃねェか。と隣でブツクサ言うので、軽く頭突きしてやった。痛ェ、何しやがる。と、彼はこちらを睨み付けた。仕方ない。ここは上手くあやしてやろうではないか。

_「晋助、レディのプライバシーをそんなに覗いちゃいけないわ。私だから許してあげるけど、他の女性(かた)にはしちゃだめよ。」

_「大丈夫だ、オレはお前のしか見ねェ。特に、他人のプライバシーなんぞ興味ねェ。」

心のなかで黄色い歓声をあげる。

_「…そう。ま、いいけどね。」


あ、そうだ。と話を変える。

_「土曜日に、江戸に用があるんだけど、誰か付き添いで来てくれないかしら?」

晋助(かれ)の眉毛が、ピクリと動く。どうやら、ご機嫌が麗しくないようだ。

_「ああ゛ァ?江
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