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獣篇V
39 夢か現(うつつ)か
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アイツにしたら、ヤツも殺れ。」


トランシーバーで、晋助(かれ)が狙われていることを告げる。なんだ、聞いてたのか。と言われたので、当たり前だ、スパイをなめんな、と言うとふと笑う声がした。


_「こんなおんぼろ船に乗り合わせちまったのが運の尽きだったなァ。お互い。」

_「アンタもオレの行く先が一緒だと?地球の喧嘩師さん?」

_「さァな?少なくとも観光目的じゃねェのは一緒だ。」

_「観光ダヨ。地獄巡りだけど。」

_「ククク)違いねェ。」


金具が斬られた。


_「せめてェ、地獄で眠りなァ…おんぼろ船の船員共よ。」



_「な、何ィィッ!?」

_「だから言っただろ?あれは呪いの博打だ、って。どっちが先に死ぬかなんて言ったけどケド、二人一緒に死ぬつもりかい?」

_「どうせ踊るなら、アホとよりとんでもねェアホと踊った方が面白れェだろうよォ。」

_「ククク)やっぱり面白いねぇ、侍って。」


_「高杉ィッ!貴様らはすでに用済みの道具。宇宙の塵にしてくれるわァァッ!」

_「用済みなのは、テメェらだよォ。言っただろォ?介錯はオレが務めるってよォ。この刑場においてェ、処刑執行人はオレただ1人。ここは、テメェら全員の首斬り台だァッ!」


あちゃー、こりゃ大変なことになったぞ。だが私は、真選組宛のレポートを書かなくてはならないので、プリントを引っ張り出して、下書きを始めた。

***


三時間後、船が騒がしくなり始めたので、そろそろ鬼兵隊のご帰還だろう。
レポートは先ほど書き終えたので、今は、これから三ヶ月以内に鬼兵隊が起こすテロの? の詳細について、まとめている。そうこうするうちに、晋助(かれ)が帰って来た。

_「よォ。具合はどうだ?零杏。」


視線を、晋助(かれ)に合わせる。

_「ええ、大分。ところで。お疲れ様、晋助。神威の具合はどうだった?」

_「…まァ、無事だ。」

_「そう。良かったわ。結局阿保提督(かれ)はどうなったの?」


彼が、畳の上に腰かけて答える。

_「あァ。…死んだよ。逃げようとしたところを爆破されてなァ。ククク)哀れなもんだぜ?」

_「そう。あ、お茶いる?」

_「あァ。すまねェ。」

_「冷たいのがいいかしら?」

_「あァ。頼む。」


冷蔵庫から麦茶を出して、コップに注ぐ。はいどうぞ、と渡すと、美味しそうに飲んでいた。

_「で、お前は何してたんだァ?」


手元のレポートを見られる。

_「え?仕事。」

_「仕事?」

_「ええ。真選組監察方としての、だけど。」

_「…テロのやつか?」

_「まァ、そういうことになる
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