【ハリー・ポッター】編
226 6年目の夏休み
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たり?」
「当たらずとも遠からずと云ったところかの。……アニーの言う通りスカウトしたい者が居る。ホラス・スラグホーンと云う男で、儂の旧い同僚じゃ」
「ホラス・スラグホーン…」
聞いた名前を復唱しているとクリーチャーから紅茶を受け取ったシリウスが会話に入ってきた。
「スラグホーンか、私達も彼から学んだものだ。スラグホーンは気に入った生徒達を──こう言ってはなんだが、贔屓するところがあったな。私達の代ではリリーが特にお気に入りだったようだ」
「母さんが?」
「そうだ。だが、それだけじゃない。特に面白いのが、そのスラグホーンがスリザリンの寮監だったてところだ」
「……ん? あれ? 確か母さんってグリフィンドールだったよね?」
どこかで聞いた話だった。ボクの知る限り、スネイプ先生からグリフィンドール生で加点した事があるのはボクだけだ。
「ああ」
「そうなんだ」
「さて、これ以上おしゃべりに興じておったらホラスが寝入ってしまう。アニー、手をお取り」
面白そうな顔で頷くシリウス。……もっと詳しい話が聞きたかったが、そこでダンブルドア校長先生からストップが掛かる。確かにもう時刻は11時30分近くになっていた。
「アニー、いってらしゃい」
ボクはダンブルドア校長先生の何の変哲も無い手を取って、ウィーズリーおばさんの見送りの言葉を聞きながらブラック邸から姿をくらました=B
ホラス・スラグホーン──スラグホーン先生のスカウトに成功する約30分前のことである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「……で、どうだった?」
「スラグホーンの事?」
「いいえ、ダンブルドアとの内緒話の事よ」
(ロンめ…っ)
スラグホーン先生と出会った翌日。ボクは当たり前の様にハーマイオニーから詰問されていた。話題はホラス・スラグホーンについて──ではなくダンブルドア校長先生との内緒話についてだった。
ボクとダンブルドア校長先生が内緒話をしていたと察していたであろう人物を見るが、ロンはボクの視線なんかなんのその。
(ま、いっか…)
眠る前にダンブルドア校長先生から聞かされた話は、ロンとハーマイオニーになら話して良いことになっているので、二人には──ロンは知識≠ゥら大方知っているだろうが、話しておく事に。
「……なんかダンブルドア校長先生、ボクに個人授業≠受けてもらいたいらしいよ」
「個人授業≠チ!?」「個人授業≠ヒぇ…」
自分でも簡潔過ぎたとは思ったがロンとハーマイオニーからのリアクションは異なっていた。ハーマイオニーからは興奮混じりでロンからはどこか納得した反応だった。
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