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提督はBarにいる・外伝
金城零二vs幻想殺し・1
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て上条にも移動を促す。場所は鎮守府内に建ててある道場。前に木曾と勝負した所だ。

「へぇ……立派な道場スね」

「まぁな。ウチは艦娘に近接戦闘も仕込んでるからよ」

 そう言いながらポケットから煙草を取り出して咥えて火を点ける。上条が休憩する間は手持ち無沙汰だしな、一服させてもらう。

「吸うか?」

 煙草を上条の方にも差し出してみる。

「は?いやいや、俺未成年っすよ!?」

「バカ野郎、酒や煙草なんてのは分別のねぇガキの頃に始めて、分別のある大人になった頃に止めるモンだ」

 主に小遣いの関係とか、健康を気遣ってな。俺?俺はまだまだガキって事さ。

「いやホント、いりませんから!」

「そうか?なら遠慮なく」

 煙草をポケットにしまい直し、紫煙を吐き出す。

「……………………」

「……………………」

 煙草の件の後は特に会話も無く、静かな時間が流れる。すると、道場の外が俄に騒がしくなる。どうやら俺達が移動したのに気付いて、艦娘達がこっちにやってきたらしい。

「……やっぱりやるんですか」

「おうよ」

 当たり前だよなぁ?とは言わないが。盛大に溜め息を吐いた大淀が、

「じゃあ私が審判やりますよ?いいですね!?」

「……お、おぅ」

 何をキレてんだコイツは。上条も十分に休息が取れたのか、立ち上がって身体を確かめるように軽くストレッチしている。

「もういいのか?」

「えぇ、あんまり観客待たせるのも可哀想ですし」

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!まだ賭けの集計できてないんです!」

「青葉……お前なぁ」

 どうやら、どちらが勝つかで賭けを持ち掛けているらしい。やるなとは言わんが、大々的にやるなよ。

「まぁ、よろしく頼むよ」

「あはは……お手柔らかに」

「それではこれより、上条大佐vs金城大将の試合を行います!決着はギブアップか気絶。それ以外は反則はありません!」

「ええぇ!?聞いてないよ!?」

 上条が喚く。そりゃそうだ、言ってねぇもの。急所攻撃、武器の使用、何でもアリのアルティメットルールだ。

「もし万が一死亡したとしても、それは不幸な事故であり、互いに責任を負う物ではありません。いいですね?」

「俺は構わん。戦いってのぁ常にそういう物だ」

「ううぅ〜……仕方ねぇか」

 上条も腹が決まったのか、引き締まった表情に変わる。

「では……神前に、礼!互いに、礼!」

 一応は試合の形に則り、礼をしてから互いに数歩下がって構える。俺はいつも通りに自然体。煙草を咥えたまま両手はポケットの中に突っ込んである。対して上条は左手と左足を前に突き出し、腰を落として重心を下げて構える。

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