れっつじょいん ばりぼーくらぶ 後編
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立った姿勢で着地できなかった。
「これはいけるかも、こんどはCで!」
磯辺はネットに平行に、トスを模してボールを投げる。
3人は離れて前衛の位置につくが、今度はことごとくブロックをかわされてしまう。
「じゃあ、今度はサーブをお願い」
磯辺はパイロンをいくつか持ってくる。
「ジャンプあり、なしでコートに置いたパイロンに当てて見せて」
そしてライン際のきわどいところや、相手選手が自分が受けるべきか迷う微妙な位置を狙わせる。みほはことごとく命中させた。
「今度は打球がネットにかかるか微妙な高度で」
それでもみほは戦車砲のようにドカドカ命中させる。
「じゃあ今度はパイロンを2つ並べるから、後ろのだけに当てて」
配置はみほから見て直線上にある。問題なのは前のパイロンを箱に乗せてボールの軌道を妨害するように置いたことだ。
「……」
4人は息をするのも忘れたかのように見入っている。
ボールはまるで野球のカーブやシュートのように曲がり、又はフォークのように突然軌道を下に曲げる。手のひらでボールに左右の回転を与え、またはまったく与えずに打つと言うことだ。
さらにアンダーハンドの天井サーブでは、きれいにコートラインの隅ギリギリにぶつけて見せた。ジャンプサーブでも低伸弾道で隅を狙う。
「……。
じゃあ今度はレシーブで行きます!」
小一時間後。
アヒルさんたちは肩で息をしているが、みほは何でもないという顔をしている。
アヒルの4人は顔を見あわせ、叫んだ!
「県大会突破!」
「インハイ出場」
「いや優勝よ!」
「国体も今年だよね!!」
4人がきゃあきゃあ大騒ぎしているのを、取り残されたみほは「あはは……」と笑いながら見ていた……
(でも、今年は県大会にも出られるんだね。よかったね、磯部さん。
戦車道との日程調整はどうとでもできるから、がんばってね)
これで本当に「バレー部復活」が成し遂げられたのだと、みほは実感した。
一ヶ月後。
今日の戦車道授業は、実際に戦車を操作する操法と戦術機動の実習だ。
全体を総括するあんこうチームは、今日はW号を明け渡して、蝶野と一緒に観測台にいて無線で戦車隊と連絡を取りつつ授業を進めていた。
「西住さん、今年の授業の進度は速いわね。
急発進、急停車、急旋回を組み合わせた課題でも、複数標的射撃演習でも一切もたつかなくなっています。
車体が激しく向き換えしていても砲塔がずっと同じ向きをむいていますし、砲塔の旋回が止まると同時に発砲ができるようになっていますね」
一ヶ月前はギクシャク発進、よたよた旋回、カックンブレーキ、砲手が標的を指向して
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