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大洗女子 第64回全国大会に出場せず
れっつじょいん ばりぼーくらぶ 後編
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 戦車道の授業をどうするか話し合っているあんこうチームの面々だったが、ふいにみほが通常の3倍単位だけは2012年度同様に維持したいと言い出す。
 その意味がわからず、思案顔の新執行部+いねむり担当。
 だがそのとき、会長室のドアを激しくノックする者がいた。

「おーい、入ってもいいか!?」
「……。
 どうぞ、お入りください」
「邪魔するぜ!」

 華が言い終わるより先に会長室の装甲入りドアが開け放たれ、5人の女生徒(?)がズカズカと入りこんでくる。いわずとしれた「サメさんチーム」だ。
「親分」のお銀が顔を紅潮させている。
 対照的に華は普段と変わらぬポーカーフェイスだ。

「……お銀さん。あなたたちの戦車道離脱はおっしゃるとおり承認しましたが。
 河嶋さんがいないなら私たちについていく意味はないでしょうから。
 マークWも今までどおり燻製室に……」
「じゃない! 実はそいつを取り下げて欲しいんだ」
「え??」
「あんた、先代のチビガリ元会長から何も聞いてないのかよ!」



 お銀たちの話とは……
 ある日突然「ヨハネスブルグ区画」にフル装備の女性海上保安官と臨検装備の女性海上自衛官の大群が乗りこんで、グレている新3年生を残らず連れ去ったという。
 そしてその連中はヨハネスブルグの住民を海保や海自のポンコツ実習船団に拉致して、猛訓練を施しているらしい。そして卒業までに何らかの海技士試験に合格できるよう、スパルタ教育の真っ最中だという。
 どこの学園艦の船舶科も、商船高専と同じカリキュラムを有しており、卒業後は船舶の乗員をめざすか、海事大学校に進むなどすることになる。海技士とは船員になるための資格のことであり、この資格のいずれかがなければヒラの船員にもなれない。
 大洗艦に乗りこんできた海保、海自の隊員は、実は大洗女子船舶科のOGたちだったのだ。
 ヨハネスブルグ区画のようなものは、船員教育に厳しい他の学園艦にはない。みんな退学にしてしまうからだ。普通は学費無料であんな働かないのを飼っている余裕はない。
 しかし、どこかのかーしまが余計なことをしたせいで、大洗艦にはあのような魔窟がある。
 そこで角谷が卒業間際に「退学させないで済むような方法」で、後始末をつけたということらしい。例によって「豊富な人脈」を駆使したのだろう。



「それで、あなた方はつれていかれなかったのですか?」
「ムラカミより二回りはデカい海保の怖いお姉様が『お前らは戦車道履修生だから見逃してやるが、もし履修をやめるならすぐに拉致るぞ』って言い残していったんだよ!」

 それは怖かったろう。
 だからこの5人があわてて直訴に及んだというわけだ。
 みほがにっこり笑ってこう言った。

「戦車道
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