暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
1987話
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 荒垣が入院してから、数日……ゆかりと共に何度か見舞いに行ってはみたのだが、結局のところまだ荒垣が目を覚ます気配はない。
 ただ、何か問題のある薬の副作用らしいという話は、美鶴から聞いた。
 もっと詳しい情報も色々と美鶴の方では分かっているらしいが、何となく言いにくそうにしていた事もあり、それ以上は聞いていない。
 もしかしたら、多少強引にでも聞いた方がよかったのかもしれないが。
 ただ、武治と電話で話した限りでは、幾月に若干怪しい動きが出ているらしいという風に聞いているので、もしかしたら荒垣がああいう状態になったのには幾月が関わっているのかもしれないな。
 タカヤの方は、相変わらず特に進展はないらしいし。
 ともあれ、折角の夏休みも最後に面白くないイベントが用意されていた訳だ。
 そんな中……俺の姿は、タルタロスにあった。
 ゆかりやコロマルを引き連れている訳ではなく、俺1人で。
 いや、それ自体はそこまで不思議な話ではない。
 夏休みに入ってからも、結構な頻度で俺だけでタルタロスに挑んでは、スライムを使って宝箱を大量にゲットする……といった真似をしていたのだから。
 だが、今日は違う。……そう、念動力が何かを教えた、というのが正しい。
 いつでもあれば、命の危機にこっちに何かを教えてくる念動力だったが、今日は違う。何があるのかは明確には分からないが、それでもタルタロスに何かがある、とそう教えてくれているのだ。

「……さて」

 俺が姿を現したのは、114階。
 そう、封印がされており、満月のイレギュラーシャドウを倒さなければ、これ以上先には進めない場所だ。
 当然そこに姿を現しても、何も変化はない。
 ……実は、封印が解けていましたとか、そういうサプライズを期待したんだが。
 となると、それ以外の何かな訳だ。
 現状では115階に行けない以上、向かうのは113階か。
 そんな風に思いながら階段を下りると……俺は、何故自分が今日ここにやって来たのか、それを理解した。
 そう、何故ならそこには、まるで俺を待ち受けるかのように死神の姿があったのだから。
 いや、待ち受けるかのようにではなく、明確に待ち受けていたのだろう。
 何をどう考えて、今日ここに俺が来ると死神が判断したのか。それは俺にも分からない。分からないが……それでも、こうして俺の目の前にいる以上、それをどうこう言うのは間違いないのだから。
 それも、死神の様子は今までと全く違う。
 勿論今までも、俺は死神と戦ってきた。
 だが、それは結局のところ死神がピンチになればそのまま逃げていく……といった風に、逃亡を前提としたものだったのだ。
 だが、今こうして俺の前に存在している死神は、とてもではないがそんなことを前提にしているようには思えない。

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ