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転生とらぶる
ペルソナ3
1986話
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 草原に戻ってくると、そこでは当然のように荒垣が眠っているだけだった。
 ゴミに塗れていた時……あの身も蓋もない大声を上げていた時と比べると、間違いなく大人しい。
 今の荒垣だけを見れば、とてもではないがあのような大声を上げていた人物と同じだとは思えない。
 それこそ、今は素直に眠っているといった様子なのだから。

「さて、この様子を見る限り……最近連絡がなかったのは、多分さっきの一件が原因で間違いないだろうな。だが、何を考えて薬なんかに手を出した?」

 正確には薬ではなく、何らかの病気という可能性も決して否定出来ない。
 だが、そうであれば、大人しく病院に行けばいいだけの話だ。
 そうではなかった以上、何か別の理由がある……そう思わざるを得ない。

「取りあえず病気なら、イクシールもあるから何とかなると思うんだけどな。タルタロスで入手した魔法薬もあるし」

 ただ、薬の後遺症だった場合、下手にそういうのを使わない方がいいのも間違いなかった。
 そうなると、やっぱり美鶴の連絡待ちか。
 そう思った瞬間、携帯にメールが届く。
 そこには、荒垣を連れて辰巳記念病院まで転移してこいと、そう書かれている。
 電話じゃなくてメールなのは、話している時間も惜しいとということか。
 ともあれ、それならこっちも素早く行動する必要がある訳で……俺は先程同様、荒垣の身体諸共に辰巳記念病院の近くに転移するのだった。





「アクセル!」

 荒垣を連れて病院の前に到着すると、美鶴が何人もの医者や看護師を引き連れて病院の中から出てくる。
 考えるまでもなく明らかだったのだが、俺と荒垣だと、明らかに荒垣の方が背が高い。
 そうである以上、先程美鶴を転移させた場所から辰巳記念病院まで荒垣を運ぶのは、かなり大変な事になる。
 いや、俺の身体能力を考えれば、その辺りはどうとでも出来るのだが、傍目には色々な意味で目立つ。
 ……それでも結局こうして荒垣を背負って連れて来た訳だが。
 男をおんぶするような趣味、俺にはないんだが。
 溜息を吐くも、とにかく近づいてきた美鶴に……正確には美鶴が連れている医者と思しき者達に向かって口を開く。

「取りあえず安定はしてるけど、ついさっきかなり苦しそうにして大声を上げていた」
「分かりました。担架に乗せて下さい」

 医者……いや、看護師か? その女の言葉に頷き、担架に荒垣を乗せる。
 この担架は美鶴が用意させたものなのだろう。
 こっちとしては、俺が荒垣を運ばなくてもいいので、かなり楽だったが。
 そうして担架に運ばれていく荒垣を見送っていると、美鶴が俺に向かって話し掛けてくる。

「アクセル、私達も行こう。今はいいが、荒垣が下手に暴れて……ましてや、無意識にでも
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