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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第134話「京での戦い・前」
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       =司side=



「光よ!」

「はっ…!」

 京都の街中を、妖を倒しながら駆け抜ける。
 優輝君達と別れた後、私達はアースラに援軍を要請。
 とりあえず近い場所にいる橋姫の場所へと向かっていた。

「橋姫と酒呑童子…どう考えても後者の方が厄介だよね…」

「でも、こっちには空を飛べるアドバンテージがある。…上手く立ち回ればなのは達でも問題なく倒せるはず」

「……それもそうだね」

 事実、学校で防衛していた時はなのは達は一方的に攻撃できていた。
 京都にいる妖より弱かったのもあるけど、やっぱり空が飛べるのは大きいのだろう。
 椿ちゃん達曰く、妖は飛べる奴ばかりじゃないらしいし。

「……!あそこ…!」

「見つけた…!」

 京都の宇治橋と呼ばれる橋。そこに橋姫と思われる妖がいた。
 既に嫉妬の力を振るっており、警察が応戦しているけど、まるで歯が立っていない。

「っ……!これじゃあ、撃てない…!」

「じゃあ、私が行くわ…!」

「お願い!」

 ジュエルシードの魔力で攻撃しようとして、躊躇する。
 …警察の人達がいるから、巻き込んでしまう可能性があるのだ。

「ガードスキル、“Delay(ディレイ)”」

 奏ちゃんが移動魔法を用いて一気に橋姫に肉迫する。
 霊力を纏わせた刃の一撃を与えようとするけど…

「っ……!」

「(防がれた…!しかもあれは、嫉妬の感情が形を為したもの…?)」

 黒い水のようなものによって、奏ちゃんの一撃は凌がれてしまった。
 その黒い水は、祈りの力を扱う私だからこそ、嫉妬の感情が形を取ったものだと理解できた。

「くっ……!」

「っ、危ない!」

 繰り出される嫉妬混じりの霊力の弾。
 奏ちゃんはしっかりと躱しているけど、警察の人達はそうはいかない。
 だから、私が障壁を張ってしっかりと守る。

「子供……!?」

「下手に動かないでください!その方が危ないです!」

 戸惑う警察の人達にそう言って、改めて祈りを込めた障壁を張る。
 …よく見ればわかるけど、既に何人も倒れている。橋姫や妖にやられたのだろう。

「っ……!…守って!」

   ―――“Tut?laire(チュテレール)

 これ以上犠牲者を出す訳にはいかないと、警察の人達を覆うように障壁を展開する。
 これで流れ弾程度なら何とかなるだろう。

「祓え!」

     パァンッ!!

「っ!シッ…!」

 祈りを込めた魔力の波動を橋姫の力にぶつけ、相殺する。
 その際にできた隙を利用して、すかさず奏ちゃんが斬りつける。

「貫け…“神槍”!!」

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