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東方仮面疾走
3.Nの疾走/もう一人の探偵にして整備士
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「何よ、あれ」
 私はただ呆然と立っていることしかできなかった。
 怪物は咆哮をあげると地面に拳をたたきつけた。
「っ!?飛べ!」
 私は翔太郎の言葉に正気が戻った。飛び退くと先ほどまで私たちがいた場所はバン!と音を立て爆発し炎があがっていた。そのまま宙に浮き私は札と封魔針を取り出すもそこには既に怪人の姿はなく、未だ燃えている地面のみが残されていた。
「これでこの件の危険さがよく分かったろ?死にたくなけりゃ、ヤマから引きな」
「それは無理ね。何せ私は博麗の巫女なんだから!それに対する役割は果たすわ!」
 それにこれ以上、仕事をしないで参拝客を減らすのも問題だ。
「‥‥‥分かったよ、好きにしろ。なら、ここからは二手に分かれよう。確か、七時には魔理沙が車見せに来るからその頃に一旦家に戻ってくれ」
「いいけど、私早めに帰るわよ。配達に支障がでるし」
「配達?何の?」
「牛乳配達のアルバイト。朝四時頃から配達してんのよ」
「博麗の巫女もバイトをする時代、か」
 世も末だな、と言いたげな顔をする。泣くわよ。












 私はしばらく聞き込みをし、翔太郎の家へ戻った。
 成果は殆ど0だった。聞けたこととすれば殆ど私たちも知っているような噂程度。意味がないと判断し、今に至る。
「魔理沙ぁ〜。来てる?」
「おーう。霊夢こっちなんだぜー」
 隣の車庫からの声だ。私は車庫へと向かった。
「よう、霊夢。どうなんだ?事件の方は?」
「手がかりは特になし。あとはあいつから詳しい話を聞くだけね。そう言えば魔理沙はどうしてここに?」
「ちょっと、こいつを見てもらいにな」
 そう言いながら後ろの車を親指でさした。
 倉庫の中に響いていた機械音が止み、車の方から一人女が出てきた。
「まりちゃ〜ん。整備、終わったわよ〜。といってもちょっと前に見たからチェック程度だけど」
「おう!サンキューなんだぜ!」
 「健全に公道で走って来たまえ、若者よ」とその女は言って愉快そうに笑っていた。魔理沙の場合、健全な交通ルールを破っているのだが。そういえば、
「あなたが、翔太郎と電話で話してたレイヴンってやつ?」
「お嬢ちゃんが博麗霊夢?魔理沙や紫からは聞いてるよ。探偵事務所の方は宛にならないかもしれなけど車のメンテ等をしたければ是非お姉さんとこに来てね。可愛い子ちゃんにはサービスするわよ♪」
 いろいろ細々とした工具などが錯乱としていた。そして、奥には魔理沙の青いBRZが鎮座していた。
「にしても、みんな好きなものね」
「つっても霊夢、お前ぐらいだぞ。そこまで冷めてるの。今でも忘れないぜ二年前の三年前のあの言葉」
 何か言っただろうか。全く記憶にない。
「んなもん忘れたって顔だな。ほんとお前ぐらいだよ。『タ
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