第7話 釈迦堂の選択
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「ならばよい。では、手筈通り川神学園に転入してくれ」
『了解です。それでは失礼します』
燕の方から切られた電話のディスプレイを見て溜息をつく紋白。
「一応、監視を付けますか?」
「いや、その必要はあるまい。何があったかは察せられぬが、声音から狂気は消え失せていると感じられる故、構わぬ」
「・・・・・・・・・」
紋白はこう言うが、ヒュームは紋白の護衛である前に従者部隊の永久欠番の座を預かる身だ。
その為、九鬼財閥にとって不利益をもたらす可能性がある者を見つければ、相応の対処を施すのがヒュームの責務である。
故に、紋白が否と言おうが監視をつける権利をこの殺戮執事は有しているのだ。
(だが人選は慎重にせねばな。赤子とは言え、現武神を倒せる可能性のある娘だ。従者部隊の若手の誰かでは松永燕に気付かれる)
そこである事に気付く。
(これではまるでクラウディオだ)
先程までの自身の思案に対して、珍しくも苦笑していた。
−Interlude−
ヒュームの思案は見事当たっていた。
士郎は百代のくっ付きを持て余しながらも近所のおばちゃん達と談笑中で、問題の燕は・・・。
「殺すにしても物的証拠を残さないようにしないと、家名に傷が付いちゃうな〜」
家名を大事としながら暗殺計画を真剣に企てている最中だった。
しかしそこで、
「ん?」
「如何した?」
「あっ、いやなんでも無いけど・・・・・・・・・」
近所のおばちゃん達との談笑を終了させて帰ろうとした所で、振り返る士郎は懐かしい気配を感じたのだが衛宮家への帰宅を百代に促されて気のせいと処理した。
だが最後に、
「燕の気配を感じた様な」
「っ!?」
気配を消しながら隠れていた燕の耳に士郎の呟きを聞き取った彼女は、思わず赤面して感動していた。
「私の事・・・・・・ちゃんと覚えていてくれた・・・?」
その事が余程嬉しかった様で、燕の脳内はその事だけに支配されたので『川神百代暗殺計画』は取りあえず凍結される事になったとか。
−Interlude−
葉桜清楚の歓迎会を家で開いた後の翌日の早朝。
士郎は何時もよりも早く起床して、事前に百代への駄賃をシーマに託してから、とある事情でランニングに来ていた。
「あそこか」
2キロ離れた士郎の向かっている所では、板垣姉弟達と釈迦堂刑部がサバイバルをしていた。
毎月の月初めに士郎からの無償の(食糧法面の)仕送りを受けている彼らが何故そんな事になっているかと言えば、竜と天がはしゃぎ過ぎて冷蔵庫を故障させてしまったのだ。
しかも最悪な
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