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新訳紅桜篇
4 人のくせは、よく見極めろ。
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    一緒にdinnerでも?」


  あいつは、食堂でご飯を食べるようなやつではない。
  だからここで、解放されるはず…!


  一か八か…勝負。


  すると彼は、まさかの返事をしてきた。


  _「…ああ。たまには一緒に飯を食うのも、悪かァねえな。
    その誘い、乗ろう。連れて行ってくれ。」


  …えぇェェェェェェェェッ!!!!
  まさかのォォォォォォォ!!!!


  …ヤダ。絶対、ヤダ。



  _「…また子先輩のことは、いいのか?彼女の方がお前を愛しているし、
    dinnerに誘ってやるくらい、してやったらどうだ?」
    


  ここはなんとか、頑張ろう。


  _「また子は、今日は忙しいんだとよ。ま、いいだろ?」


  むむ…これ以上いい訳は効かない。ますます怪しまれるかもしれない。


  _「…分かった。では行こう。」



  結局、食堂まで、一緒に来てしまった。

  あぁあ。今日は厄日with高杉だ。
  今日は高杉が一緒だと、ろくなことがない。

  そして何より一番厄介なのが、周りの視線だ。

  まるでカップルでも見るかのように、こちらを(いや、どちらかと言えば、わたしを)見ている。


  しまいには、「いいなぁ」とつぶやく声まで聞こえてきた。




  私だって、望んでやっているわけではない。




  ま、ここにいる鬼兵隊の人たちは皆、高杉(こいつ)に惹かれ、ここに入ったのだから、
  その人を取られたようで、嫉妬しているのだ、きっと。

  大目にみてやらねば。
  総督(こいつ)の名を立てて。




  私が気まずい思いをしているのに、高杉(あいつ)は、すたすたと食事をとりに行った。



  _「待て、コラ。もうちょっとゆっくり歩け、コノヤロー。」


  つい口から、言葉が出る。



  高杉は、振り向いて言った。

  _「…お前、ますます銀時に似てきたな。本当にお前は、銀時の妹のようだ。
    白状したらどうだ?」




  そうそう。私は幼いころ、銀時、ヅラ、高杉(こいつ)と一緒に、同じ塾へ通っていた。
  その名も、「松下村塾」。


  その時、銀時は、私と同じような銀髪だったので、「私の兄ではないか騒動」がよく
  勃発していた。
  しかも、言い方までそっくり、となれば、そう思われても仕方ない。

  だが真実、私は銀時(かれ)の妹ではない。むしろ、他人だ。




  _「残念だがな、私には兄弟がいるが、それは銀時ではない。
    どうし
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