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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第62話『看病』
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配してだろう、智乃が部屋に入ってくる。もちろん結月目当てなので、晴登が部屋に居たことには驚いたはずだ。
しかし、状況が状況である。今の晴登の首には、結月のか細い腕がしっかりと巻き付いているのだ。


「あ、その……失礼しました」ガチャ

「待って閉めないで!?」


寂しそうに智乃は扉を閉めていくので、慌てて引き止める。智乃が残ってくれないと、この先どうなるかわからない。


「いや、私はいいから…ね」

「いや違うんだ! これには訳が──」

「ボクのハルトはチノには渡さなーい」

「…! お兄ちゃんは私だけのお兄ちゃんなの! 結月お姉ちゃんには渡さない!」

「なにこれどういう展開?!」


状況がカオスになってくる。智乃が晴登の腕を引っ張るのに対して、結月は晴登の首を引っ張る。言わずもがな、二つの方向に身体が引っ張られる訳で痛い。


「ハルトはボクの!」グイ

「お兄ちゃんは私の!」グイ



「いい加減にしろぉぉ!!!」


──晴登は、咆哮する。







「行ってきまーす!」ガチャ

「行ってらっしゃい」


あの一喝から一時間。智乃が学校へと向かう時間となる。
玄関で手を振る晴登は、いつもと違う生活ということで新鮮な気分を感じた。


「さて、戻るか」


階段を上がって、結月の元へと戻る。看病と言っても、食事以外は特にすることもないので、正直暇だ。


「結月、体調は平気か?」

「そうだね。少し怠いけど、落ち着いてるかな」

「じゃあ一日安静にしてれば大丈夫だな」

「……!」


そう晴登が言った瞬間、結月の表情が変わる。具体的には、驚きと恐怖が読み取れた。


「まだ風邪のままでいい。ハルトにチヤホヤされたい・・・」

「願望だだ漏れだな。次からは学校に行くことにしよう」

「ハルトと一緒じゃなきゃ嫌だっ!」

「留守番ぐらいしてくれるよね!?」


結月の将来性を心配して、晴登はため息をつく。ここまで依存されると、いつか独り立ちできるのだろうか。いやこの際、一生自分が面倒を見るのも・・・って、さすがに今考えることじゃないな。


「それじゃ俺は智乃の部屋で勉強するから、大人しくしておくんだぞ?」

「ここではしないの?」

「今まで居てなんだが、風邪を移されても困るからな」

「うぅ……」


どうやらその一言には結月は弱かったらしい。自分のせいで迷惑をかけることになるからだろう。随分と泣きそうな顔をしているが、これで挫ける晴登ではない。いつまでも甘やかしてはいけないのだ。


「……俺は親か」







「──
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