11 学級文庫係
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リィの家に到着し、ドアを叩いた。リリィの母が出迎えた。
「こんにちは、藤木です。リリィいますか?」
「あら、ちょっと待っててね」
数分して、リリィが出てきた。
「お待たせ、それじゃ行きましょ」
リリィは母に行ってきますと告げて、二人と共に本屋へ向かった。
「あ、そうだ、リリィはお金持っているのかい?」
永沢が聞いた。
「ええ、大丈夫よ。この前藤木君がくれた図書券まだ使ってなくて、これで買おうと思っているの」
藤木は赤面した。その図書券は以前、藤木がまる子やみどりたちとデパートに行った時に文房具屋のおまけで貰い、それをリリィにあげたものだった。
「ありがとう、リリィ、使ってくれて」
「だって、せっかく藤木君がくれたんだもん、使わないともったいないからね」
リリィは微笑んで言った。そのとき、永沢はこの二人の仲が羨ましいのか、藤木だけいい感じになって気にくわないのか、イライラしていた。
藤木が質問した。
「そうだ、イギリスではどんな本があるのかな?」
「そうね、コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』とか、アガサ・クリスティーの『名探偵ポアロ』『ミス・マープル』とか、推理小説が有名ね。『ロビンソン・クルーソー』や『ガリバー旅行記』などの冒険小説も人気あるわよ。他には『不思議の国のアリス』とかかな。私結構それ読むの好きだったわね」
「へえ、じゃ、そういうの探してみようかな」
「うん、みんなに読んでもらえたら嬉しいな」
本屋に到着した。三人はイギリスの作品の本を探した。と、その時・・・。
「うわあ、『トム・ジョーンズ』!パパが好きな本だわ!」
「え、お父さんが好きって君の家にあるのかい?」
藤木が聞いた。
「あるけど英語だから、これならみんなも読めるかな」
「でも、これ長いな。4巻まであるじゃないか。全部買うと図書券1枚で済まないぞ」
永沢が嫌みがありそうに言った。
「う、そうだ、足りない分は僕と永沢君で出そうよ!」
「僕は嫌だね、藤木君、君だけが協力しろよ」
永沢が拒絶する。が、リリィが異議をとなえた。
「永沢君、私のためにここまで来たんでしょ、藤木君に面倒押し付けないでよ!学級文庫係でしよ?」
「ふん、ならリリィと藤木君二人で足りない分のお金をだせばいいだろ?」
「分かったわよ、藤木君そうしよ?」
「う、うん・・・」
藤木とリリィは足りない分のお金を出しあった。
本の購入を済ませて三人は帰る途中、藤木はリリィに本の内容を聞いた。
「リリィ、『トム・ジョーンズ』ってどんな話だい?」
「私も実は実際読んでないからわからないけど、トム・ジョーンズって捨て子の男の人がいろいろな辛い目に遭いながらも生き抜いていく話よ。最後はお互い好きに
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