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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv10 ラーの鏡
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出現し、不気味な化け物に放たれたのである。
 氷の槍は化け物にモロに命中する。
 そして、ヒャドをまともに喰らった化け物は、後方に勢いよく吹っ飛んでいったのだ。
 思ったよりも凄い威力であった。考えてみればヒャドは、歴代のドラクエで、初期限定の最強呪文として君臨している魔法だ。俺は今の威力を目の当たりにし、それがよく理解できたのであった。
 まぁそれはさておき、次は俺の番である。
 俺は呪文節約の為に、魔道士の杖に秘められた力を解放させた。杖の先にメラの火の玉が出現する。そして、目の前にいる化け物に火の玉を放ったのだ。
 火の玉が化け物に命中すると、爆ぜて火花が飛び散り、化け物は炎に包まれていった。が、しかし……止めを刺すには至らなかったのか、2体ともそれほど間をおかずに、また俺達の方へと向かい動き出したのであった。
「まだピンピンしてるッ。効いてないのか!?」
 なんとなくだが、俺達の攻撃はあまり効いていないように見えた。
「でも、この調子ですわ、コータローさん。奴等に間を与えず、ガンガンいきますわよ」
 アーシャさんはそう言うと、呪文を唱えた。
【ピオリムッ】
 と、その直後、俺とアーシャさんの周りに、緑色に輝く霧が纏わりついたのである。
 それに伴い、重石が無くなったかのように、体がフワリと軽くなっていったのだ。
「ウホッ、身体が軽くなった」
 どうやらこれが、ピオリムの素早さを上げる効果なのだろう。
「さぁ行きますわよ。コータローさん」
「ええ、アーシャさん」
 そしてスピードを増した俺達は、漆黒のローブ姿の化け物へ、怒涛の魔法攻撃を開始したのであった。

 俺達は攻撃の手を緩める事なく魔法を放ち続け、漆黒のローブ姿の化け物を後退させてゆく。
 だがこいつ等は、魔法攻撃を幾ら受けてもすぐに立ち上がり、何事も無かったかのように行動を再開するのである。それが不気味であった。
 とはいえ、攻撃の手を緩めるわけにはいかなかった。
 なぜなら、少しでも間が出来ると、すかさずこいつ等もメラやヒャドといった呪文を唱えてくるからだ。
 しかし……どう考えても、俺達の攻撃でダメージを受けているような様子が見受けられない。
 その為、俺達の中にも次第に、焦りと迷いが生まれてきているのであった。

 俺は魔道士の杖を行使しながら、アーシャさんに言った。
「アーシャさん! こいつ等、もしかして俺達の攻撃が全然効いてないんじゃないですかッ。おかしいですよ。痛がったり弱ったりするような素振りを全然見せないです」
「で、でも、私達には攻撃するしか他に手はありませんわ。この2体の魔物を何とかしない限り、あの扉には辿り着かないのですから」
 アーシャさんの口調は明らかに狼狽えていた。
 やはりアーシャさんも、内心では駄目か
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