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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv10 ラーの鏡
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もと思っているに違いない。
「ですが、アーシャさんの魔法は、俺と違って道具の力じゃない。このままの調子ならば、扉に辿り着く前に魔力が枯渇してしまいますよッ」
「そんな事は分かってますわッ! でも後がない以上、先に進むにはこうするしかないのですッ。……ヒャド!」
「しかし……無……いや、何でもないです」
 俺は無駄という言葉が出そうになったが、飲み込んだ。
 なぜなら、現状、アーシャさんの言う通りだからである。
 剣や鎧といった重装備ではない俺達は、これを続けて進み、あの黄金の扉まで行くしか方法がないのだ。が……その道は物凄く遠い。すぐそこなのに、目の前の不気味な存在が、それを許してくれないからである。

 俺は魔道士の杖を使いながら考える。
 この化け物は一体、何なのだろうかと……。
 またそれと共に、俺の中で気になっている事が2つあるのであった。
 まず1つは、幾らメラやヒャドとはいえ、十数発も浴びれば、相当なダメージが蓄積しているということである。これがゲームなら、もう既に150〜200ポイントのダメージは与えている筈なのだ。
 それともう1つは、奴等がメラやヒャドを唱えてくることや、その動きを考えると、それ程強いレベルの敵には思えないという事であった。精々、俺達と同程度の強さな気がするのである。
 で、何が言いたいのかというと……要は、こんなに打たれ強いのに、その攻撃能力はあまりに弱いという事だ。
 俺がプレイしたドラクエには、少なくとも、こんなアンバランスな敵はいなかった気がするのである。その為、違和感を覚えると共に、奇妙な引っ掛かりも感じたのであった。
(この化け物達はなんかおかしい……手応えが全然感じられない。まるでサンドバックを攻撃してるような気分だ。本当に倒せるんだろうか……こいつ等を……)
 俺はそんな事を考えながらも、魔道士の杖からメラを放ち、化け物を転倒させてゆく。
 そして徐々に前へと進んで行くのだが、黄金の扉まではまだまだであった。
(……いつになったらあそこまで辿り着けるのだろう。たった10m程度なのに、なんて遠いんだ……ン?)
 と、そこで、アーシャさんに異変が現れた。
 なんとアーシャさんは、床に片膝をついてしゃがみ込んだのである。
「ハァ、ハァ、ハァ」
 アーシャさんは肩で息をしていた。
 俺は即座に攻撃の手を止め、アーシャさんに駆け寄った。
「大丈夫ですかッ、アーシャさん!」
 アーシャさんは苦しそうに口を開く。
「す、少し……魔法を使い過ぎたみたいですわ。ハァ……ハァハァ」
 かなり息が荒い。
 額からは幾つもの汗が流れ落ちている。
 恐らく、アーシャさんはもう限界なのだろう。
 俺はとりあえず、アーシャさんにホイミをかけてみた。が、やはり、思ったほどの効果は現
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