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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv4  商業都市マルディラント
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には遭遇していない。
 いや、正確に言うと魔物の姿を発見する事はあったのだが、俺達に近づいて来ようとしないのである。
 ちなみに、それらの魔物の中には、蝙蝠みたいな翼を生やした子供の悪魔・ベビーサタンみたいなのや、羊みたいな魔物の姿もあった。
 多分、羊みたいなやつは、俺の記憶が確かならマッドオックスとかいう名前だったような気がする。
 それと他にもいたが、遠くて判別できない魔物もあったので、発見するだけなら何回もしていたのだ。が、しかし……なぜか知らないが、魔物達は俺達を避けるかのように、こちらには進んでこないのであった。
 それが不思議だったので、馬の休憩の時、俺はヴァロムさんに訊いてみた。
 するとヴァロムさんが言うには、魔物が嫌がる芳香をこの荷馬車が発しているからなのだそうだ。
 しかも芳香は、この荷台に使われている木材から出ていると言っていたので、これには俺もびっくりしたのであった。
 かなり貴重な木材を使って作られた凄い馬車らしく、見た目に惑わされてはいけないようである。
 考えてみれば、デフォルトでトヘロスや聖水の効果が備わってる馬車なんてゲームに無かった逸品だ。
 見た目は武骨でセンスの欠片もないが、まさか、こんなスペシャル機能があったとは……。
 俺はそれらを聞いて、この馬車に対する評価が180度変わった。
 またそれと共に、道中の不安も少し和らいだのである。
 というわけで、話を戻そう。

 俺達が移動を始めてから、もう既に6時間以上は経過していた。
 周囲は相変わらず、グランドキャニオンの様な赤い岩山だらけの所であったが、心なしか、岩山の高さも少しづつ低くなってきていた。
 また徐々にではあるが、芝生の様な緑の雑草が生い茂る部分や広葉樹の姿も、チラホラと確認できるようになってきたのである。
 これらの変化を見る限り、恐らく、このベルナ峡谷も、そろそろ終わりが近づいてきたという事なのだろう。
 それにしても、このベルナ峡谷というところは、かなり広大な地域のようである。
 しかも広大な上に、非常に険しい一面も持っているのだ。
 ヴァロムさんが初日に、俺のような格好をした者が来る場所じゃないと言ってたが、この光景を見る限り、頷かざるをえまい。おまけに魔物が住んでいるとなれば、尚更である。
 あの時はよく分からなかったから適当に聞き流していたが、保護してくれたヴァロムさんに感謝しないといけないなぁと、俺はこれらの光景を見ながら思っていたのであった。

 それから更に時間が経過する。
 ベルナ峡谷はもう完全に抜けており、周囲の景色も、無機質な岩や砂の大地から、草原の広がる青々とした大地へと変化していた。
 先程までは後方に確認できたベルナ峡谷の姿も、ほぼ見えなくなっていた。
(さて……ベルナ峡
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