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星河の覇皇
第六十三部第五章 会見の申し入れその四十一

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「とてもです」
「それはいないか」
「あの方には弟君も一族に男子の方々もおられますが」
「嫡子だ」
「そうですね」
「やはりその立場は大きいな」
「こう言ってしまうとエウロパ貴族の様ですが」
 連合では徹底的に嫌われている彼等のことを例えに出した。しかしこのことは金にとっては不本意なことである。
「しかしです」
「同じことだな」
「家が大きいとなると」
「どうしてもな」
「その家をどうするかが問題になります」
「貴族の様にな」
 連合では全否定されている彼等と同じく、というのだ。
「もっとも八条家は元々公卿だった」
「日本の貴族ですね」
「しかも長い歴史がある」
「日本の近代化以降財閥、企業グループとして存在しています」
「それだけにな」
「貴族と同じ様にですね」
「後継者の問題が出て来る」
 そして、というのだ。
「まして直流の嫡流となるとな」
「余計に、ですね」
「後継者としての立場が重要になる」
「だからこそ」
「彼はどちらかを選ぶことを強いられる」 
 八条家の総帥、若しくは政治家であることを。
「そのどちらかをな」
「選ばざるを得ませんね」
「ならば」
「あの方は」
「やはり経営者か」
 即ち八条グループ総帥の座をというのだ。
「彼が選ぶのは」
「そちらになりますか」
「そう思えてきたがどうだろう」
「確かに。そうなれば」
「八条グループ総帥だ」
 八条が選ぶであろう立場は、というのだ。
「それ以外にない」
「一つだけしか」
「そう思うがどうだろうか」
「そうですね、やはり」
 金はアッチャラーンの話を聞いて述べた。
「私もです」
「八条グループ総帥だと思うな」
「あの方が選ばれるとなれば」
「そちらだな」
「政界に入られたことはご本人が望まれてでしたね」
「そうだったが」
「それが日本政界でしたら」
「まだな」
 その立場なら、というのだ。
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