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星河の覇皇
第六十三部第五章 会見の申し入れその四十二

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「経営者との両立も出来た」
「各国といっても地方政権ですね」
「要するにな」
「地方議員ならですか」
「まだ何とかなった、しかしだ」
 今の八条は、というのだ。やはり地方政府と中央政府では仕事の規模が違う。そこにある予算と責任もそうである。
「国防長官でだ」
「これ以上政治家を勤められるのなら」
「さらに重要な閣僚になりだ」
 国防長官以上のだ、内相や外相等の。
「そして首相、ひいては」
「大統領ですね」
「そこまでなるとな」
「流石に八条グループ総帥との兼任は無理ですね」
「どちらかということになる」
「そうなれば」
「彼は八条家の人間だ」
 それ故にというのだ。
「その立場が強い」
「だからこそ」
「彼はやはりな」
「八条グループですね」
「あのグループの総帥となる」
 間違いなく、という言葉だった。
「他にはどうしてもな」
「考えられませんね」
「それならばだ」
「もう国防長官で」
「政治家としてのキャリアは終わる」
 八条のそれはだ、そして政治家としてのキャリアを終えてそのうえでというのだ。
「それからな」
「八条グループの後継者としてのキャリアを積まれ」
「総帥となる」
 その座に就くことになるというのだ。
「それは彼の義務だ」
「八条家の後継者としての」
「そういうことだ、しかしそれだけにな」
 ここでアッチャラーンはその話題を変えた、その話題はというと。
「どうしてもパートナーが必要だ」
「奥方が」
「政治家もそうだが経営者もな」
 この立場でもなのだ、アッチャラーンはそのことがわかっているからこそ金を見つつ密かに彼女にも語るのだった。
「伴侶が必要だ」
「異性であっても同性であっても」
「ブリテンもあそこまでの音楽家になったことには理由があった」
「パートナーがいたからこそ」
「彼は同性だったがな」 
 そのパートナーのアドバイスもあり多くの歌劇を作っていった。ブリテンは同性愛者であるが故に偉大な音楽家となったのである。
「しかしパートナーがいた」
「だからこそ」
「彼にもな」
 パートナーが必要だというのだ。
「誰にもだが」
「つまり私にも」
「否定はしない、君もな」
「わかってはいます」
 金は普段とは違いいささかバツが悪そうに返した。
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