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星河の覇皇
第六十三部第五章 会見の申し入れその四十

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「だからな」
「連合にとってもあの方ご自身にとっても」
「難しい、そしてな」
「我々にとっても」
「改革派にとっては未来の総裁候補だ」
 そのうちの一人だというのだ。
「だからこそな」
「政界に残って欲しいですが」
「しかし彼の都合もある」
「ご自身のそれが」
「公が第一といってもな」
「公は一つとは限らないですね」
「連合はそうだ」
 多層社会故にだ、連合は政界だけで成り立っている世界ではないのだ。財界にしても公でありその財界にいる者としてもなのだ。
「財界、八条グループ総帥の立場もな」
「公ですね」
「そして八条家の主としてもな」
 その地位もなのだった。
「公だ」
「八条グループは連合屈指のコンツェルンなので」
「その関係者全員への責任がある」
「それだからこそ」
「その総帥の座はな」
「無視出来ないですね」
「政治家との両立は出来ない」
 八条グループがあまりにも巨大なグループだからだ、政治家もしつつということが出来る程穏やかな仕事ではないのだ。
 それでだ、若し八条が八条グループ総帥の座を選ぶのならばなのだ。
「どちらかだ」
「八条グループの総帥になるか」
「政治家に専念するかだ」
「どちらかしかありませんね」
「そうなる、彼は既に後継者とされている」
 八条グループのだ。
「このことがあるからな」
「後継者ならば」
「総帥となることが当然だ」 
 このことはこの時代でも変わらない、経営者一族というものが存在している企業グループも存在しているからだ。
「だからこそな」
「どうしてもですね」
「彼はどちらかを選ばなければならない」
 政治家か経営者どちらかの道をというのだ。
「絶対にな」
「両立は出来ませんね」
「流石に無理だ」
「そうなればです」
 ここで金が言うことはというと。
「政治家は。まだです」
「いるか」
「はい、確かに八条長官は立派な方ですが」
「彼の様に働ける政治家はか」
「おられます」 
 そうした人物はというのだ。
「まだ」
「彼程の資質はなくとも」
「はい、まだ」
「しかしだな」
「それが八条グループの後継者となりますと」
 その立場になると、というのだ。
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