暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第4章:日常と非日常
第116話「兄として・後」
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)」

 既に管理局に保護され、先に家に帰っているラグナの事を想う。
 …おそらく、罪悪感から俺はまともに顔も見れないだろう。
 こんな不甲斐ない兄ですまない…。



 …そんな、精神的に参っていた時だった。



「………誤射した事、後悔してますか?」

「っ………!」

 後ろの席から、そう声が掛けられたのは。
 …身の毛がよだつ思いだった。いきなり誤射の事を言われたのだから。

「隣の席から失礼します。…あまりにも、深刻そうだったので」

「…あんたたちは……」

 黒髪の少年と銀髪の少女、そして使い魔らしき動物の耳と尻尾がある茶髪の少女。
 振り返った俺の視界に飛び込んできたのは、その三人だった。







       =out side=





「…悪いが、放っておいてくれ」

「貴方のその様子を見たらそうした方が無難なんですけどね…」

 そう言って、優輝は彼の隣の席に移る。

「……僕とどこか“同じ”に見えたので、そういう訳にもいかないんですよ」

「“同じ”……だと?」

「はい」

 “どういう事だ?”と、彼は訝しむ。

「他にも“同じ”だと思った人がいましてね…。貴方の様子と、その感覚から……誤射しかけた相手…貴方の妹かそれに類する人ですね?」

「っ………!?」

 その言葉で、一気に優輝達への警戒心が上がる。
 彼と人質の関係性をまさか一発で当てるとは思わなかったからだ。

「…あぁ、通りで……」

 彼の反応を見て、図星だと分かったのか優輝は納得したように頷いた。

「(……なんなんだ、こいつは…)」

 突然話しかけてきて、勝手に納得している優輝に、彼はそう思わざるを得なかった。

「…優輝」

「っと…。僕の悪い癖だな。これは」

 椿に咎められ、優輝は頭を振って考え直す。
 彼の入ってほしくない領域に図々しく入ったも同然なのだと、優輝も気づいた。

「…改めまして、僕は志導優輝。嘱託魔導師をやらせてもらっています。ついでに言えば、今日の事件に居合わせていました」

「………ヴァイス・グランセニックだ」

 警戒を解かずに、自己紹介に応えるヴァイス。

「現場にいた……って事は、俺の狙撃を防いだのは…」

「僕ですね。ちなみに直後に犯人を射たのは使い魔の椿です」

「………そうだったのか。すまない。そして感謝する。俺の代わりに…」

 警戒しているとは言え、フォローしてくれた。
 その事を感謝するヴァイス。

「いえ、偶々です」

「…………」

 警戒しているが故に、ヴァイスの口数は少なくなる。
 そんなヴァイスを余所に、優輝は軽
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