悠那
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れた決意も、ユナの満開と形容するに相応しい笑みが割って入る。よく見ればその顔は記憶の中の『ユナ』にそっくりで、どこか見覚えがあると思っていたのも、あながち間違いではないらしい。もしかすると、そうして『ユナ』のことを思い出させるのが狙いなのかもしれない――とまで思えば、二つのことに気づいていた。
『どうしたの〜? 私の顔じっと見て。まさか惚れちゃった?』
「あ、いや……あいつが……」
『あいつ? って、あー! またどっか行っちゃった……』
一つは、ユナがとても意地悪そうな笑みを浮かんでいたこと。そしてもう一つは、気がつけばエイジがどこかに消えていたこと。もちろん戦う気だったとはいえ、予期せぬ遭遇だったために、ここで戦いにならなかったのは正直にありがたかった。
『も〜。それじゃ、ショウキくん――』
「ユナ…ちょっと、待ってくれないか」
『え?』
そしてエイジを追おうと、小走りになったユナの後ろ姿を引き止めた。するとユナは疑わしげな様子ながらも、顔だけはこちらを振り向きつつ足を止める。
「ユナは知ってるのか? エイジがやろうとしてることを」
『ん〜、わかんない!』
「……え?」
聞かずにはいられなかったその問いかけは、他ならぬユナによって、あっさりと答えを示された。あまりにもあっさり過ぎたために、今度はこちらが虚を突かれて聞き返してしまうほどに。そんなこちらの様子を見て、ユナは楽しげに微笑みながら身体全体をこちらに向けていた。
『私は歌うしか出来ないから。歌うことしか……出来ることが、ないから』
「ユナ……」
『……なんて。またね、ショウキくん』
ずっと微笑んでいたユナが最後に見せた表情は、自分には歌うしか出来ないからと告げる、とても寂しげな表情だった。そんな表情を隠すようにユナは消えていき、雑木林には俺のみが残ることとなって。
《SAO》をクリア出来なかった、もしもの自分を見ているかのような、戻れないところに行ってしまいそうなエイジと。誰かを犠牲にしてまで蘇りたくないと伝えてくれた『ユナ』と。いずれ消えてしまうだけの存在であることを、悟って受け入れている白い少女と。歌うことしか出来ることがないと語る、ARアイドルのユナと。それぞれと向き合って、俺はどうするべきなのか。
どうせ結論は、リズたちを傷つけた奴らをどんな理由であれ許すわけにはいかない、と決まっているだろうに。この期に及んで何が、俺はどうするべきなのか、だ――と心中で自嘲する。
「飯でも……食べるか」
……何にせよ、腹が減っていては考えもまとまらないと、雑木林から出ていき空いている机を探す。幸いなことに病院前で直葉から貰っていた弁当もあり、ユナ――というより白い少女――に会
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