暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティアを駆け抜けて
スペクタクル・クライシス
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お互いの持つシンボルを賭けたバトル。ジェムはこれまでの勝負で得た技、トレーナーとして学んだ技術を利用してダイバの攻撃をしのいでいくが、先に一体ポケモンを倒したのはダイバの方だった。並び立つメガシンカポケモン達の力を十分に発揮するダイバとの力の差はやはり大きい。

「ペタペタとキュキュは一旦下がって……出てきてルリ、クー!」

 ジェムは大技を出して消耗したジュペッタとキュウコンを下げ、フェアリータイプを持つ二匹を繰り出す。マリルリがゴムまりのように転がり弾みながら登場し、クチートが大顎を開けて精いっぱい威嚇をした。大鎌を振るう暴竜、刺々しい恨みを放つ亡霊、妖精のように歌う花嫁、親子愛を力に変えたポケモン達を見据えジェムは思う。

(ダイバ君の場にはメガシンカしたポケモンが四体。みんな強いしタイプもバラバラで隙もない……だけど欠点はある)
「ガルーラは『ピヨピヨパンチ』、サーナイトは『サイコキネシス』」
「ルリ、クー、ガブリアスの懐に潜り込んで!」
「何……!?」

 小さなクチートとマリルリがガブリアスの大きな体の足元へと身を隠す。親子で挑みかかろうとするガルーラや念力を当てようとするサーナイトは手は出せない。

「クチートとマリルリはフェアリータイプ、いくらガブリアスが『ドラゴンクロ―』を振るおうとダメージを与えることは出来んしダイバがこれだけポケモンを展開しては『地震』も自殺行為というわけか、だが……」
「小賢しいね……『炎の牙』!」
「ルリ、『アクアジェット』でふっ飛ばして!」
「りるぅ!」

 ガブリアスが足元のクチートに食らいつく前に、マリルリが水を噴射してガブリアスの体を自分ごと押し飛ばす。ガブリアスを盾にして奥のサーナイトへと突き進む。

「チッ、ガブリアスごと『ハイパーボイス』で吹き飛ばせ!」
「させないわ、『不意打ち』よ!」
「クチートの位置からサーナイトに不意打ちが届くわけな……!?」

 ダイバは目を見開く。クチートはマリルリの足をしっかりと腕で掴んで一緒に移動していた。そしてジェムの紅い方の瞳と共に光り、メガシンカを決めている。二つの大顎が、歌声を響かせようと息を吸うサーナイトを横合いから、張り飛ばす。ガブリアスと激突こそしなかったが、ダメージは少なくない。マリルリはガブリアスから離れ一旦周りを警戒したが、隠れ蓑に利用され、あまつさえ自分に止めを刺すより他の警戒を優先したことがガブリアスの逆鱗に触れた。

「ガアアアアアアアアアアアアア!!」
「もういい、戻れガブリアス」
「アアアアアアア、ガッ!!」
「……僕の命令が聞けないの?」
「ガアアアアア!!」

 ダイバはボールを出し戻そうとしたが、ガブリアスは激しく抗議したようだっ
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