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SAO−銀ノ月−
加速
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リーファをたしなめながらも、エイジ――かつてのノーチラスと唯一の知り合いであるアスナに話題を振るが、アスナは申しわけなさそうに首を振るのみだった。

「ううん。元KoBって言っても、すぐに脱退しちゃったから……あんまりよく知らないの。ごめん……」

「そうか……それと、ユナって名前のプレイヤーについて、知ってる奴いないか?」

「ユナ……って、あのアイドルのこと……じゃないわよね」

 そしてエイジという青年の件について以外に、彼が語ったユナというプレイヤーについて。かのARアイドルと同じ名前を持つらしい、かつてのSAOプレイヤーであろう名前について――エイジが語った俺が殺したという内容を除いて――聞いてみたものの、そちらも芳しい答えが返ってくることはなかった。アスナが知らないとなれば、中層以下のプレイヤーだろうが。

「ユナ、か……」

「それじゃあとにかく、みんなでそのエイジって人を見つければいいんですね!」

「ショウキさん、キリトさん」

 肩に乗ったピナとともに、シリカが気合い充分といったようにガッツポーズを取ってみせた……正直に言うならば。何が起こるか分からない今の状況で、出来ることなら、キリト以外のメンバーに手伝って貰いたくはなかった。その思いはキリトも同様だったらしいが、そんな俺たちに凛としたルクスの声が響いた。

「二人は、私たちの心配もしてくれていると思うけれど。私たちにとっても、リズは大事な友達なんだ。何か手助け出来ることがあったら、手伝いたい」

「……記憶を失うだけとは限らないんだぞ」

「クラインさん……だよね」

 ルクスの糾弾するような声色に対して、キリトの家に用意されたソファーの一角を差して返答する。アスナが顔を伏せて言った通りに、そこはクラインの席であり、当のクラインは昨夜から連絡が取れなかった。

 いや、クラインだけではなく、風林火山のメンバー全員とだ。俺とアスナをボス戦に連れて行ってもらってから、あのメンバーと1人たりとも会っていない。昨夜なら、突如として仕事でも入ったかと思うところだったが、1日明けても連絡が来ないとなると異常だった。

「クラインだけじゃない、レインもだ」

 レインも同じく、仕事が忙しくて連絡が取れないとばかり思っていたが、クラインの件の後では何が起きたか疑わしい。そして最も考えられる理由は、俺と同じくあのエイジという青年に攻撃され、現実でダメージを負ったからなのではないか。そんなことは言わずとも全員が分かっていて、こちらからの糾弾にメンバーが静まり返ってしまう。

「でも! リズさんやクラインさん、レインさんが何かされたかも知れないのに、黙って見てろって言うんですか!」

「っ……」

「……ごめんなさい」

「ショウ
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