第六十三部第一章 次期総統その十九
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アイスクリームを食べてだ、こうも言った。
「不思議とブランデーにはな」
「菓子が合いますね」
「ワインもだがな」
「その中でも、ですね」
「私はこれが好きだ」
アイスクリーム、それがというのだ。
「よく冷えたバニラがな」
「いいですね、それは」
「そうだな、そして卿は」
「私はブランデーならです」
それならばというのだ。
「ケーキです」
「そのケーキか」
「はい」
かなり甘そうなチョコレートケーキ、それであった。
「これです」
「どちらにしてもブランデーの友にはだな」
「甘いものですね」
「全くだ」
それこそ、というのだ。
「これだな」
「はい、ワインも確かにいいですが」
「甘いものと共に飲むのならな」
「ブランデーの方が合いますね」
「ビールは駄目だ」
甘いものと共に飲む酒はというのだ。
「あれはな」
「苦味が強過ぎて」
「甘いものには合わない」
「ビールはソーセージですね」
「それかベーコンだな」
そういうものと共に飲む酒だというのだ、ベーコンは。
「肉類だ」
「そうしたものですね」
「そうだ、ドイツ人の私としてはだ」
「ビールには燻製ですね」
「ソーセージやベーコンだな、そうしたものだ」
「そうなりますね」
「内相もビールは飲むと思うが」
「はい、飲みます」
その通りだった、カミュもビールは飲むのだ。
だがそれでもだとだ、こう言うのだった。
「しかし考えてみればです」
「ビールはあまり飲まないのだな」
「ワインが多いです、そしてシャンパンです」
カミュが主に飲む酒はそうしたものだ、彼もまた酒はよく飲むがその種類はこうしたものである。
「ブランデーもです」
「そうか、フランス人らしくか」
「そうなるでしょうか」
「カクテルも好きだったな、卿は」
「はい」
その通りだという返事だった。
「夜バーでよく飲みます」
「その通りだな、だが私はビールもよく飲む」
ドイツ人らしくというのだ。
「朝に飲むこともある」
「そうでしたね、ドイツやイギリスではですね」
「朝食欲がないとだ」
その時にというのだ。
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