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星河の覇皇
第六十三部第一章 次期総統その十八

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「挙国一致ならです」
「それも受け入れるというのだな」
「そうも思いますので」
「そうか、では私はだ」
 ボーデンは少し微笑んでからだ、こうカミュに言った。
「今回で引退させてもらう」
「引退ですか」
「そうだ、今の政権が降りたらな」
 政権交代、その時にというのだ。
「引退しようと考えている」
「まだ早いのでは」
 ボーデンはまだ六十代にもなっていない、平均寿命が百歳を超えている時代にだ。それでカミュは彼にこう言ったのだ。
「引退には」
「いや、しかしだ」
「そう思われるのですか」
「そうだ、もう潮時だ」
 引退するその時だというのだ。
「だからだ」
「何故潮時だと思われるのでしょうか」
「これからは私よりもだ」
「首相よりもですか」
「若い力がだ」 
 それが、というのだ。
「必要だと思うからな」
「それ故にですか」
「私は確かにまだな」
「はい、お若いです」
「しかしだ、どうもそう思うのだ」
「潮時だと」
「党の総裁は卿がいいとな」
 考えているというのだ。
「そうも思うからな」
「だからですか」
「私は政界を引退する」
「では引退された後は」
「実は祖国でだ」
 ドイツ、そこでというのだ。
「大学教授にも誘われているのだ」
「それでは政治家を引退され」
「以後は学者としてな」
「奉職されるのですか」
「そう考えている、政治家としては潮時だ」
 引退の時期だというのだ。
「後は卿に任せたい」
「私が党をですね」
「動かしてもらう、そしてエウロパもだ」
 この国もというのだ。
「頼んだ」
「それでは」
 カミュも頷く、そしてだった。
 そうした話をしてだった、そのうえでだった。
 ボーデンは微笑みのままだ、カミュは今度にこう言ったのだった。
「それでだが」
「はい、今度は一体」
「いいブランデーがあるのだが」
 こう言うのだった。
「飲むか」
「ブランデーですか」
「卿はブランデーも好きだったな」
「はい」 
 微笑んでだ、カミュはボーデンに答えた。
「そちらも」
「そうだな、それではな」
「今からですね」
「飲もう」
 こう話してだ、実際にブランデーを出して二人で向かい合って座って飲みはじめる。その中でボーデンは。
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