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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第三十話 身体の傷、心の傷
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た。ティアナに毛布をかけて、スバルを見るシャマル。

「ダメージよりも疲労の方が深刻ね。最近、無理してなかった?」

「う……」

シャマルの問いかけに、スバルは答えられずに俯く。

「やっぱりね。練習もいいけど、ちゃんと休息もとらないとダメよ?」

一言注意して、シャマルはアスカの診療を始める。

魔力で怪我の状態を探る。が、すぐに青ざめた。

「これ……何があったの!撓測手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)断裂……いや、切断?長掌筋(ちょうしょうきん)切断、尺側手根屈筋(しゃくそくしゅこんくっきん)切断、尺骨骨折……いや、これも切断!?撓骨(とうこつ)切断、静脈、動脈切断!!」

見た目以上に重症な事にシャマルは慌てた。

「ベッドに横になって、右腕はこの台の上に乗せて動かさないで!」

普段の、ホンワカとしたシャマルからは想像できないくらいに迅速に動いている。

アスカは素直に指示に従った。

「この傷だと、出血も相当しているわね。魔力縫合を行い、輸血をします。ジッとしててね」

傷が大きいので、触れる事ができない状態でシャマルは魔法治療を始めた。

アスカの腕がシャマルの魔力光に包まれる。

その様子を、フェイトとエリオ、キャロは心配そうに見守っていた。

暫くして、傷口がふさがる。

「この状態で、指が動かせるか試してみて」

言われた通りに右手を動かそうとした途端、ズキンと痛みが走る。

「痛い?」

「は、はい…すごく…」

脂汗が出るくらいの痛みが、右腕から脳天に駆けめぐる。

「そのまま、ね」

再び魔法治療を行うシャマル。

何度かそれを繰り返していた。

「どう?」

「……だいぶ痛みがとれました。指も一本ずつ、ちゃんと思った通りに動かせます」

アスカの言葉を聞き、シャマルはようやくホッと胸を撫で下ろした。

「結構な大怪我よ?輸血は、とりあえず200CCね」

輸血用のパックを取り出したシャマルは、アスカの腕に針を刺す。

「これで一安心ね」

安堵の表情を浮かべるシャマル。

「アスカさんの怪我は、もう大丈夫なんですか?」

それまで静かに待っていたエリオがシャマルに尋ねる。

「ダメージはまだあるから、今日は出撃があってもダメよ。一日様子を見て、明日もう一度診察するから。たぶん、2〜3日は痛みが残るかもしれないわ」

「そ、そんな大怪我なんですか?」

その説明を聞いたキャロが驚く。

「大怪我なんてもんじゃないわ。すぐに処置できたからいいけど、失血死していても不思議じゃない怪我よ?いったい何が……」

「エリオ、キャロ。オレはもう大丈夫だから、もう戻っていいぞ」
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