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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
捜索
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それなりの感慨(かんがい)を抱いて街並みを眺めている。

感覚を振り払うように頭を一振りすると、俺はキリトに抱かれるユイの頭を覗き込んだ。それと同時に、キリトの傍らに立つアスナがユイに訊いた。

「ユイちゃん、見覚えのある建物とか、ある?」

「うー……」

ユイは難しい顔で、広場の周囲に連なる石造りの建築物を眺めていたが、やがて首を振った。

「わかんない……」

「まあ、《はじまりの街》は恐ろしく広いからな」

キリトがユイの頭を撫でながら言った。

「あちこち歩いていれば、そのうち何か思い出すかもしれない。とりあえず、中央広場に行ってみようぜ」

「そうだね」

「………」

頷き合い、3人は南に見える大通りに向かって歩き始めた。

それにしても、歩きながらアスナは(いぶか)しい気持ちで改めて広場を見渡した。意外なほど、人が少ない。

《はじまりの街》のゲート広場は、2年前のサーバーオープン時に全プレイヤー1万人を収容しただけあってとてつもなく広い。完全な円形の、石畳(いしだたみ)()()められた空間の中央には巨大な時計塔が(そび)え、その下部に転移ゲートが青く揺らめいている。塔を取り囲むように同心円状に細長い花壇(かだん)が伸び、その間に瀟洒(しょうしゃ)な白いベンチがいくつも並ぶ。こんな天気のいい午後には一時の(いこ)いを求めるプレイヤーで賑わってもおかしくないのに、見える人影は皆ゲートか広場の出口に向かって移動していくばかりで、立ち止まったりベンチに腰掛けたりしているものはほとんどいない。

上層にある大規模な街では、ゲート広場は常に無数のプレイヤーで乱している。世間話に花を咲かせたり、パーティーを募集したり、簡単な露店を開いたりと、(たむろ)する人々のせいでまっすぐに歩けないほどだった。

「ねぇ、キリト君」

「ん?」

振り向いたキリトに、アスナは訊ねた。

「ここって今プレイヤー何人くらいいるんだっけ?」

「うーん、そうだな……。生き残ってるプレイヤーが約6000人、《軍》を含めるとその3割くらいがこの街に残ってるらしいから、2000弱ってとこじゃないか?」

「その割には、あまりにも人が少なすぎる。妙だな」

周りに眼を向けていた俺の一言は確かだった。

「……マーケットか何かにでも集まってるのかな?」

広場から大通りに入り、店舗と屋台が建ち並ぶ市場エリアに差し掛かっても、相変わらず街は閑散(かんさん)としていた。やたらと元気のいいNPC商人の呼び込み声が、通りを虚しく響き渡っていく。

それでもどうにか、通りの中央に立つ大きな木の下に座り込んだ男を見つけ、アスナは近寄って声を掛けてみた。

「あの、すみません」

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