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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第二十七話 すれ違い
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自分の考えを捨てた。

仮に功を焦ったとして、その理由は?

ティアナの立場を危うくするような事なんか無かった。

ティアナ以外にセンターガードが務まるヤツは、フォワードにはいない。

誰かムチャクチャ優秀な人員を補充したとしても、それでもリーダーはティアナだろう。

何より、オレ達はチームとして相性が良い。それは隊長達も感じているみたいだ。

分からねぇ……考えれば考えるほど分からなくなる。

その時だった。

「おーい、アースカ」

そんな声と同時に首筋に何か冷たい物を押しつけられた。

「ひえぇぇぇぇぇっ!」

思わず情けない声が声を上げてしまった。何なんだ?

「あー、ゴメンゴメン。そんなに驚くとは思わなかったからさ」

振り向くと、そこにはツナギ姿のアルトさんがいた。手には、缶コーヒーを持っている。

「ア、アルトさん?」

「もう一杯、どう?」

ニコッと笑ってアルトさんが缶コーヒーを差し出してくる。

「え…あ、ありがとうございます」

ちょっと戸惑ってしまったけど、オレは有り難く受け取る事にした。

善意だからね。無碍に断るのも悪いし。

「なんかさ、難しい顔をしてウンウン唸ってたからどうしたんだろうって思って声をかけたんだけど、全然反応してくれなかったから、ちょっとイタズラしちゃった」

テヘ、と可愛らしく舌を出すアルトさん。普段なら、それだけでデレデレになりそうだけど、今は心配事の方が大きい。

「そんな顔をしてましたか?」

「うん。まあ、アスカよりも前にそんな顔をしてた人を見てたしね。気になっちゃって」

「誰ですか、その人」

予想はつくけど、とりあえず聞いてみる。

「ヴァイス先輩。なんかムスッとしてて、なに聞いても”お前には関係ない”って言ってさ。仕事サボってた癖に何も言わないんだよね」

「……」

やっぱり陸曹か。

さっき、一触即発だったからな。かく言うオレも、熱くなった頭を冷やす為に休憩室にいる訳だし。

「もしかして、先輩と何かあった?」

黙ってしまったオレに、アルトさんが聞いて来る。

どうしよう…何て言えばいいんだ?

まさかバカ正直に言えないし…

オレが困っていたら、

「別に無理に言わなくてもいいよ。でも、一人で悩まないでね。私じゃなくても、相談できる人はいるでしょ?」

気遣うようにアルトさんは言ってくれた。

…できれば相談したい。

隊長に話す前に、同じ女性の立場の意見も聞きたい。

でも、迷惑をかけないか?

アルトさんだって忙しい筈だ。下手に巻き込んで変な事になったら悪いし…

でも、オレ一人じゃ限界がある。

「……あの、アルトさ
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