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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#34 響く声
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その声の主の顔は見えない。身体の自由が利かない故に、振り向く事も出来ない。だけど、声の主は直ぐにルークはわかった。だからこそ、ルークは。
「はっ はっ……………はぁ…………」
徐々に落ち着きを取り戻す事が出来た。
幻聴とは違う。……安心できる人の声だから。
軈て、意識が混濁していく。自分自身がどうなっているのかも判らない。だからこそ、身を、その声に委ねた。
「そうだ……。ルーク。そのままゆっくり意識を両手に持って行け……」
声に従う。ただ、それだけを意識して、懸命に集中しつつ、両手に意識を集中した。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
そして、徐々にではあるが、歪で嫌な光が消えだし、身体が軽くなっていく気がした。
それを見届けた声の主は。
「ルーク…私の声を良く聞け… 力を抜いて…そのまま……」
ルークの頭に手を置く。
そう、声の主……、それはルークが最も信頼する男、ルークの師でもあるヴァンだった。
ヴァンは、ゆっくりとルークの頭を人撫ですると、ルークは精根尽き果てたのだろうか、軈て、完全に気を失った。
そして、ルークが発した光と衝撃。
それは、船全体を揺るがす程のものだった故に、反対側にいたアルとティアも気付いたのだ。
「何か凄い音がしたけど!! 大丈夫!」
アルは、声を大きくさせた。ティアに膝枕をしてもらっていて、とても照れ臭かったから、それを紛らす為に……と言う意図だってあったりする。
「ええ……。あのカイザーなんとって、言うのと戦ってた甲板の方からだわ」
ティアも、衝撃音の発生源を粗方割り出すと、そちら側を向いた。
そして2人は頷き合うと、そのまま足早に向かっていった。
数秒後、到着しそこにいたのは2人。 ルークとヴァンだった。
「大丈夫2人とも!? 今、凄い音したけど!?」
アルが、ルークとヴァンに駆け寄った。今までにない程の衝撃音だったからアルも心配だった様だ。それがルークなら尚更だ。
「なっ! 何だよ! お前ら 何でここに?」
ルークは突然現れた2人に驚いているようだ。でも……。
「って、驚くのはこっちだよ! ほんと凄い音がしたんだから! ……だから そっちに行ったらルークとヴァンさんがいて。 それで、いったい何があったんだ?」
アルの質問に、ルークは首を横に振った。
「なんでもねーって 大丈夫だ!」
その様子は、いつもと何処か違う感じがしたけれど、敵襲の類でケガをした、とかではなさそうなのは、身体を見てよく判ったから。
「はぁ… とりあえず… 元気そうだ。良かったよ。」
アルは、ほっと肩を撫で下ろした。
でも、ティアは
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